大衆小説

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【全てを注いだ9分間】湊かなえ「ブロードキャスト」感想

湊かなえ著「ブロードキャスト」は放送コンテストという広がったチャンスを掴み取り、新たなものへのめり込んでいく少年を描いた物語です。ふと訪れた機会に挑戦できるか、戻る機会が来たときにどう選択するか。タイミングに対応したい、そんな人に向けた作品だと感じました。
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【ペンギン・ハイウェイ_感想】少年は世界の果ての不思議に挑む

今回紹介するのは森見登美彦作「ペンギン・ハイウェイ」です。観察と考察を毎日続ける少年アオヤマが、不思議な現象たちを前にして原因を考えていく物語となっています。子どもだからできた「現実に囚われない思考」が鍵となった、不思議にのめり込む研究者としての側面と平均を知らない小学生らしさの両方が合わさって魅力的に映る作品といえました。
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【もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら_感想】居場所を欲した少女が抱いた”真摯さ”とは

ただ甲子園に行くだけでなく、次の世代に如何に受け継ぐか。前作もしドラでは触れなかった未来へ着目した作品となっています。前編では作品の紹介および主人公:夢なりのマネージャーとしての真摯さを紹介していきます。
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【沢村光彦「コード・ブルー―ドクターヘリ緊急救命―」】”助けられなかった”を乗り越えて

脚本:林宏司、ノベライズ:沢村光彦の「コード・ブルー―ドクターヘリ緊急救命―」のうち、今回は”藍沢耕作”に焦点を当てていきます。他人の優劣を気にせず絶対の自信を持って配属されたが、幾度の失敗によりプライドがズタボロになっていきました。助けられなかった無念から藍沢がどう成長していくかに注目していきます。
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【dele2_感想】あなたは死者をどう覚えていたいか

本多孝好「dele2」は生と死をテーマとした小説、deleの続編です。依頼人が死んだとき、生きていたころに指定されていたデータを消し去る会社『dele.LIFE』が舞台となっています。本作ではどうしてこのような会社を作ったのか、陰謀論に処理された妹へどう向き合うかが焦点となっていました。
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【佐野徹夜「君は月夜に光り輝く」_感想】君からの最後のお願い

佐野徹夜の「君は月夜に光り輝く」は生きる意味への回答を示した作品でした。月夜に照らされて体が光る幻想的な光景と、死に憧れた青年に残した最後の願いが印象に残ります。ただ、壊れていると自嘲する主人公と友人に共感できない点から人を選ぶ作品ともいえました。
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【柚月裕子「盤上の向日葵」_感想】将棋に生きた天才の最期

将棋とともに生きた棋士の失敗と答えを記した、柚月裕子「盤上の向日葵」の紹介記事です。上条桂介の追憶と警官の捜索がリンクすることで、読者に疑問への解答が示されていく流れになっています。人と人との1対1の関係性、『「できない」という無常観』がしきりに描かれた作品でした。
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【森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」】不思議の中で君を追う

森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」の紹介記事です。先輩が超常現象に好かれた後輩を追う一年を描いています。偶然のご都合主義で対面する2人と、一歩を踏み出せない彼の思いが印象的な作品でした。
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【三浦しをん「舟を編む」感想】 言葉の海を渡る旅人たち

三浦しおん『舟を編む』は何かに打ち込む熱意が詰まった作品と言える。言葉の海を渡る舟になるように、国語辞典『大渡海』へ情熱を捧げた男たちが描かれていた。本書は何をしたいか分からない、何かに打ち込んでいる人を参考にしたいという人にオススメである。
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【辻村深月「島はぼくらと」感想】小さい島の深いつながり

辻村深月作「島はぼくらと」の感想記事です。古くからの住民と新たな住民が共存した離島、冴島さえじまを舞台としています。島に帰るために部活が出来ず、大学に行けば冴島にいられなくなる。本作の特長は新旧入り混じった土地に特有の人間関係の複雑さです。4人の高校生の視点から、移り行く感情に注目していきます。
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