アニメ「ライアー・ライアー11話」の謎解きとキャラクター分析:《同盟軍》vs《連合軍》と相乗効果

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ライトノベル出身のアニメ『ライアー・ライアー』を、補足しつつ感想を書いていくシリーズの11回目です。

第10話「ヒーローとトリック」はASTRALの裏で行われていた、MTCGの攻略が中心の回でした。解かせる気のないパズルへ、主人公たちはイカサマを以て対抗していきます。最後のシーンはハッタリが得意な篠原らしい宣誓でした。

偽りの論理で理不尽な事象を覆す。

第11話「兵と友」は《百面相》側の強敵、霧谷きりがや凍夜との戦いが中心になります。黒の色付き星を持つ6つ星相手にどう挑むのか、注目していきます。

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目次

『ライアー・ライアー』のあらすじ

学生同士がランクを決めるゲームを繰り広げる学園島。篠原緋呂斗は国内最難関の学園島編入試験で歴代トップの成績を叩き出し、昨年度の絶対王者・彩園寺更紗を転校初日で陥落させた。結果学園島史上最速で頂点に1人だけ君臨する7ツ星に成り上がった。

そんなものは全て嘘だ。大切な人に会うために外部からやってきただけの一般人で、本当の星はたった1つしかない。しかし、学園島に残るためには嘘でもトップにいなければならない。姫路白雪のイカサマも、偽物だった彩園寺更紗との共犯関係だって活用する。

じゃあ、世界を騙す嘘を始めよう。

キャラクター紹介

  • 篠原緋呂斗:英明学園2年の7つ星(偽)。ポーカーフェイスと機転で補う。
  • 彩園寺更紗:桜花学園2年の6つ星。影武者で本名は朱羽莉奈。《百面相》への共闘のため足止めを担当する。
  • 姫路白雪:桜花学園⇒英明学園2年の4つ星。支援組織《カンパニー》のリーダーを務める。最期まで篠原を守り続ける。
  • 久我崎晴嵐:音羽学園の5つ星で《我流聖騎士団》を率いる。唯一無二の彩園寺を信仰している
  • 霧谷きりがや凍夜:森羅学園の6つ星で絶対君主の異名を持つ。黒の色付き星によってアビリティを融合できる。倉橋御門の協力者。
  • 椎名紬:中学三年生の引きこもり少女。偽アカウントを作れるくらいの天才で、倉橋御門のスカウトを受けた。《百面相》の正体
  • 倉橋御門:一週間ほど前に学園長の座を追放された。裏の顔は残っており、ASTRALを掌握。2人に復讐するため《百面相》を差し向ける。

ライアー・ライアー11話「兵と友」の展開と7つの補足

アニメで描写されていなかった背景、疑問視される展開を中心に補足していきます。

この項目内の挿絵は全て、©2023 久追遥希/KADOKAWA/ライアー・ライアー製作委員会のものを使用しています。

また彩園寺更紗(朱羽莉奈)については、アニメ化する範囲で本物の彩園寺更紗は登場しないため、彩園寺表記で統一します。

《同盟軍》vs《連合軍》

4日目午前終了時点で英明率いる《同盟軍》と、《百面相》椎名率いる《連合軍》の一騎打ちとなっています。

人数こそ勝っていますが、《連合軍》の面々が強者ばかりな点が厄介です。そこに《百面相》のチートが重なります。

《同盟軍》合計20名

  • 二番区_彗星
  • 三番区_桜花(彩園寺更紗
  • 四番区_英明(篠原たち5人
  • 十番区_近江
  • 十三番区_叢雲
  • 十九番区_双鍵

《連合軍》合計14名

  • 七番区_森羅(霧谷凍夜
  • 八番区_音羽(久我崎晴嵐
  • 十二番区_聖城(椎名紬
  • 十四番区_聖ロザリンド(皆実雫
  • 十六番区_栗花落(枢木千梨

倉橋御門が用意した《百面相》のスペックをまとめました。まともに勝たせるスペックではありません。

  • 行動値最速(役職効果と合わせるとクールタイムがなくなる
  • スペルの供給が1分ごと(他校の15倍
  • ランダム供給のスペルを全種手に入れられる(スペル数がさらに8倍)
  • 全役職のメリット効果のみを取得
  • アビリティなしでマップを全開放
  • ライフポイントLPは999(一般生徒のLPは5)

《同盟軍》が当初あてにしていた作戦は、枢木による一撃必殺でした。そのために枢木を説得し、《連合軍》を裏切ってもらわなければなりません。同時攻撃によって敵戦力を分散させ、枢木+モブと接敵する状況を作り出しました

しかし、この作戦には致命的な欠陥があります

9話で姫路が《一射一殺》を受けたとき、ダメージを0にするスペル《防壁》のおかげでLPを4削られるだけで済んでいます。《百面相》は防御スペルを持っており、クールタイムがないせいで重ね掛けも可能です。

つまり、《一射一殺》だけでは《百面相》を倒すことはできません。あえて無敵にしなかったのは、使わせるよう誘導する倉橋の作戦だったと推測されます。

真の弱点に勘づいた篠原は、この段階で最終案を考えていました。

6つ星先輩方の本領発揮

4~6話での秋月の暴走、7~9話での腐れ縁2人組。3年生に足を引っ張っているイメージが付いてしまっています。11話でようやく3年生サイドが本領発揮する時間がやってきました。

アニメ中ではカットされた午前中は、《連合軍》の刺客2人に襲われています。このとき、秋月が行動心理を読み切り、最小限の消費で《罠》にはめ撃退しました

枢木の周りにいたモブ3人は森羅高等学校のメンバーです。霧谷の雰囲気通り戦闘特化のアビリティ構成をしています。森羅のメンバーは射程を伸ばして必中攻撃を仕掛ける【魔術師】(黒髪)や、広範囲攻撃に特化した【剣闘士】(茶髪)を主軸にしています。【守護者】(少女)もサポートに特化しており、迎撃戦に優れていました。周囲に【罠】もたくさん置き、枢木を囮に7つ星をおびき寄せた形になります。

しかし、英明の6つ星は森羅の思惑の上をいきました。

  • 榎本が罠の位置を予測し、《魔砲》で誤爆させる
  • 浅宮が元地雷原を最短で走り抜け【魔術師】【剣闘士】を削り切る
  • 浅宮が枢木に接敵して、榎本がアビリティ《避雷針》で《一射一殺》を外す
  • 榎本があえて枢木の射線に入り、浅宮のアビリティ《窮鼠》を起動させる
  • 秋月が戦意喪失した【守護者】を不意打ちする

アビリティの使い方の上手さ、榎本と浅宮が想像以上にかみ合っていたことが勝因だと考えられます。惜しむらくは、森羅の作戦を攻略していく描写が見られなかったことでしょう。

アニメでは陣地を貸してくれた近江の方同様に、さっくりとやられてしまっています。

5巻の伏線、皆実雫の苦悩

唐突に出てきた青髪の少女は皆実雫といいます。可愛い生徒が多いという理由で聖ロザリア女学院に所属し、色付き星も持っています。役職は【魔術師】、回避能力に優れていました。

彼女はアニメ終了後の5巻におけるキーパーソンであり、篠原と彩園寺がまた争うきっかけとなります。4巻時点で分かっていることは2つです。

1つは目立ちたくない性格です。5つ星以上は人数制限があり、他校にも名前が知られます。だから4つ星に抑え、色付き星もわざと隠し続けていました。

1つは百合気質です。男よりも女が好きだと公言しており、強者でありながら弱小校の聖ロザリアを選んだ何よりの理由です。交戦中でも姿勢を崩すことはなく、浅宮のおへそに120点の評価を付けました。

目立ちたくない。濃い2人に挟まれて生き残っている時点で彼女の願いは叶っていません。特に霧谷に気に入られており、アニメ範囲の後も付きまとわれることになります。

黒の色付き星

7番区森羅学園のトップ霧谷は、倉橋御門の協力者です。いち早く《連合軍》に参加し、リーダーシップを取ってきました。

霧谷は黒の色付き星を持っています。汎用アビリティを《改造》し、限定アビリティへ強化することができます。挿絵で手に持っている黒い剣は、《調合・改》で攻撃スペルを重ね掛けしたものです。

無双して目立とうとした霧谷を止めたのは、姫路の《入れ替え》アビリティと秋月の怨念でした。

昨年の夏、秋月に優しくしてくれた生徒がいた。彼女は霧谷に《決闘》でボコボコにされ島から去ってしまう。秋月は再び1人となって、特別な存在を目指すこととなる

二刀流使いのキリトさん

霧谷きりがや凍夜とうやを省略するとキリト。電撃文庫で活躍する二刀流使いに倣った、霧谷のとっておきです。

隠していた《二刀流》アビリティは、全く同じタイミングで2つの《剣閃》を飛ばすことができます。既に体力が1となっている先輩方は避けるか庇うか、選択するラグが生まれていました。霧谷の1撃は先輩方の一瞬のスキを突いた形となります。

攻撃系のとっておき《二刀流》に比類するように防御系にもとっておきを用意していました。《無効障壁・改》は、外側からの攻撃を自動でシャットアウトする優れものです。内側からは攻撃できるため、一方的な試合展開を描けます。

このように霧谷は戦闘特化のアビリティ構成を組んでいます。しかし、霧谷の傲慢な性格は数々の隙を生んでしまいました。篠原に《調合・改》を奪われ、榎本の策を見破れず、秋月の執念をもろにくらう。

それでも立ち続ける霧谷にとどめを刺したのは、内側からの反逆でした。

落ち重なるように聞こえた二つの声。……直後、ほとんど同じ地点からプレイヤーの脱落を表す青いエフェクトが大きく一つ・・立ち上った。

『ライアー・ライアー4巻「第三章 ”鬼神の巫女”と”絶対君主”」』より引用

不死鳥の役割

久我崎はリーダーでありながら【守護者】の役職についています。霧谷らの補佐に徹し、浅宮の攻撃を《座標変化》アビリティ+《防壁》スペルで防いでいました。

彼が《百面相》に協力していた理由は、学園島最大の非公認組織《我流聖騎士団》の公認化です。しかし、その程度の理由で彩園寺への執着を超えられるのでしょうか。

「くくっ、笑止‼ 僕の二つ名の由来を忘れたか? 僕は今の女帝を――彩園寺更紗を心の底から慕っている。敬っている。それが故に何度となく彼女に挑む不死鳥だ。そんな僕が! あろうことか、偽物の《女帝》などという醜悪な存在を許容できるはずがないだろうッ!!!?」


『ライアー・ライアー4巻「第三章 ”鬼神の巫女”と”絶対君主”」』より引用

分かり切っていたように、久我崎はトロイの木馬として《百面相》陣営に潜り込んでいましたASTRAL開始前の8話(原作3巻 第一章)、篠原は久我崎に連絡していたのです。

【守護者】の役職は彩園寺更紗(朱羽)を守る者として選んだ模様です。5つ星と6つ星を往復してきた不死鳥の名からも、防御的な約束は転職でした。

防御用の《座標変化》でスペルを《無効障壁》内に移し、霧谷を討伐しました。その後、順位を確定させるため篠原に彩園寺を託して自害しています。

チート能力にもほどがある

案の定《一射一殺》で《百面相》は倒せません。相方の学園は裏切り戦法で瞬殺されています。それにもかかわらず、彩園寺は1人で時間いっぱいまで稼ぎ切りました。追加で《百面相》の取り巻きも倒しています。

話が進むごとに、彩園寺はどうして篠崎に負けたのか分からなくなってきます。

原作では桜花学園の飛鳥萌々も途中まで生き残っています。しかし、アニメでは存在ごと消されていました。

まとめ:生存者3人の最終日

  • 数と結束力の《同盟軍》、圧倒的なリソースの《連合軍》の対比
  • 6つ星先輩の活躍シーンが相手の応対を中心にカット
  • 5巻へ続く皆実雫の伏線
  • 汎用アビリティを改造する黒の色付き星
  • 攻防一体故に生んでしまった霧谷の慢心とスキ
  • 彩園寺の【守護者】になりたかった漢不死鳥
  • 案の定倒せない《百面相》

第11話「兵と友」は《百面相》側の刺客、霧谷きりがや凍夜との戦いが中心に描かれました。彩園寺(朱羽)を敬う久我崎を味方につけ、秋月の些細な復讐と組み合わせて打ち取ります。しかし、ラスボスの《百面相》を倒す計画は失敗し、正攻法は失われました

ここから始まるのは番外戦術です。

《百面相》騒動の全てを黒幕の倉橋御門へ押しつけて、正式な大会として勝利する。たった3人だけの盤上戦が幕を開けました。

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