性転換について、想像力が生んだ方法を集めてみた

性転換という言葉を聞いて何を想像するでしょうか。恋愛関係をぶち壊す要素であり、新たな関係を築き上げる可能性もあります。非現実な場面に直面した人を観戦することもできれば、自分に投影して妄想を焚き上げる人もいるでしょう。

今回は警告タグの一つである「性転換」について、概要と方法を描いていきます。警告タグについての概要は下の記事を参考にしていただければ幸いです。

一次創作、二次創作にかかわらず、創作物にはタグが付けられています。これは必要な情報を提供するため付けられたもので、”攻略””解決法””紹介”...

性転換とは

性転換とは「体の性別が男から女もしくは女から男に変化する」現象を指しています。先天性・後天性は問いませんが、創作では(現実的な)性転換手術は含まないことが多いです。

性転換と似た表現として「TS」もしくは「TSF」というタグもあります。個人的にはTrans sexual fictionの略だと考えていますが、Transformなど他の説もあります。こちらは起源上男から女の変化に限ります。また自分自身の体が変化しない類(憑依とかVRとかが該当)をTSFに含めないという説も展開されています。

どちらにしろ性転換がTSFを内包していることには変わりありません。ということで、これから性転換についてだけ触れていきます。

先天性と後天性

性転換するにあたって、絶対に考えなければならない点があります。加害者以外の誰かが性転換したことを認識しているかです。本人か周囲が認識しているものを後天性性転換、認識していないものを先天性性転換と説明することにします。

性転換を基軸において話を展開する場合99%以上で後天性になります。先天性の場合気付いている奴が多くても加害者唯一人なので正直盛り上げにくいといいますか……その代わり他のキャラクターの反応に苦慮することがないので、設定を練り上げるのは先天性の方が簡単でしょうか。

先天性:変わりゆく世界

まず先天性の方から取り上げます。特徴は周囲や自分が変化したという自覚がなく、それを自然なものと思わせられる点です。性転換に主軸を当てることなく、最初から変化した関係性を用いることができる点も魅力でしょう。

下の3種以外に「転生」を先天性に含む説もあります。これは転生したという自覚がなければ条件を満たすから、という話です。今回は先天性、後天性の中間として別枠を設けて対処しています。

アカシックレコード

アカシックレコード(Akashic Records)とは、過去から現在までの事象が刻まれた記録のことを指しています。神智学の用語であり、これが存在するという科学的証明はなされていません。特別な名前を付けられていますが、下記の世界改変の一要素になります。

昔、ある人は「アカシックレコードを書き換えれば最初からその存在になれるのではないか」と考えました。書き換える手段は問わず、相手に気付かれることもない。更にはあると証明されていないのだから己の好きなままにできる。つまり、現象を扱うのに都合が良かったということです。

一般的に可逆変化であり、加害者が覚えていれば元の姿に戻すこともできます。ただしやりたい放題になってしまうので、一発ネタで扱われることが多く、元に戻されない方が多く見かけます。

世界改変

世界改変とは、その名の通り世界を変化させる能力のことを指しています。天地創造をする神々のアクティブ能力であり、性転換以外にも話の根幹を操作する力です。

世界記録を改竄させるアカシックレコードの他に、魔法や奇跡による世界変化も含まれます。範囲が広い分世界改変の用語以外の共通点は薄く、可逆・不可逆は問いません。

特殊な例として幻術や催眠空間といった、一時的な環境変化というケースもあります。幻想に囚われた場合、内部の異常事態や不可思議を容認する傾向にあります。この傾向はマインドコントロールや洗脳なども同様です。

意識の順応化

意識の順応化は世界改変と全く異なった要素から先天性に分類されます。変化した原因はともかく、体の思想に心が影響されることによって被害者が気づかない系列を指します。心身二元論と大きく関わる概念です。

この場合の性転換は方法を問わず、十中八九不可逆変化となります。順応化する原因としては次のものが考えられます。

  1. 扱われ方の変化
  2. 友人や家族などの周囲環境の変化
  3. 以前の体が持っていた記憶が読み込めない
  4. 海馬が放出する記憶が体由来であること
  5. (入れ替わりの場合)相手への認識変化

以上から分かるように、順応化自体は非科学的な現象でなく「人間の防衛本能」や「常識という価値観」によるところが大きかったりします。

後天性:友達大事に

後天性性転換は、被害者や周囲が異常事態に気付いている性転換になります。多様な原因、関係性の変化を描きやすい、主軸に定めやすいなどの利点から、掌編から長編の題材に使われています。

下に例を書いていますが、人間の妄想力は非常に逞しく日々進歩しています。現状よく見かける物を取り上げましたが、ここには載っていない手法も見つかるかと思います。

オーバーテクノロジー

『十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない。(Any sufficiently advanced technology is indistinguishable from magic.)』この言葉は「2001年宇宙の旅」などSF小説を描いてきた作家、サー・アーサー・チャールズ・クラークによる発言です。

組織レベルの性転換が現代で非科学的要素であるが故に、これらの技術が異次元の存在に思えます。しかし百年前にとっては、AIやロケットも空想上の産物でした。そう考えると自然法則上可能であればこれらのことを起こせる可能性もあるでしょう。

脳回路の移転

心と体で別の人格が存在している心身二元論に対し、心身一元論はニューロンの電気活動によって心が形成される仮説です。もし心身一元論が正しければ、他の脳回路にニューロンのパターンをインプットすれば他の体に移れるかもしれない。そういう考えから生まれた発想です。

アンドロイドのような人工体の脳回路やコンピュータの電子回路など、移転先は人の体である必要はありません。

VRアバター

五感のすべてを仮想世界に委ねる。それは実世界とのつながりを裁ち、新世界に没入することを可能にするでしょう。

今のVR技術は視覚と聴覚(と一部の嗅覚・味覚)を外部デバイスによって与えています。しかし触覚という最大の問題が残されており、没入感がそこまで強くない技術に甘んじています。

ただしVR技術の倫理問題には、没入感からの依存症の他に甚大な門外が残されています。それが他者の感覚の受信によるずれです。

感覚の違いのうち、特に異性間とのずれを体現した分類がVRアバターによる後天性・可逆的性転換となります。

特長として現実の体は変化しておらず、容易に異性の体ということを認識させられる点が挙げられます。またキャラを演じることも現実より簡単でしょう。

余談ですが、ソードアートオンライン(VR技術が発生した近未来を描いた作品)では、異性のアバターの使用は禁止されていました。これは2つの世界の間隔の違いにより、脳が混乱しないための措置です。

ファンタジー

ファンタジーとは空想、もしくは空想の産物のことを指します。この分類先は、地球外高位生命体だったり平行世界だったりと、現代科学が予想する自然法則に反する現象です。

上位生命体の介入

非科学現象の原因とされる物の一つ、上位生命体です。ギリシャ、北欧、ケルト……神話上の生命体や外部世界からの住民が、興味本位で変化させる傍迷惑な性転換になります。

あさおん(朝起きたら女になっていた、の略)や神様転生(被害者が望まぬ性転換)がこの分類になります。利点は原理を考えなくても良い点、欠点は上位生命体の扱いにくさと変化過程の味気のなさとなっています。

黒魔術・魔法

上位生命体による意図した性転換に対し、こちらは同位生命体による性転換になります。魔法の代償、マジックアイテム、黒魔法……ざっくりとした分類なのでやり方はいくつもあります。

利点は手法の豊富さと自由度の高さ、欠点は世界観の構築難易度が高い所です。特に長編の場合は世界観に沿った、説明しているふりが必要になってきます。例としては「DNAを書き換えて魔力を封印できる体に変化させる」とか「体と脳を繋ぐ霊的回路を切り替える」とかでしょうか。

転移の弊害

異世界転生と比較して、必ず同じ人格の意識が残る異世界転移による性転換です。何故転移したことによって変化してしまったのかは、黒魔術と同様に説明を要します。が、「環境の違い」「転移時に妨害された」で片付いてしまう分、こちらの方が手軽です。

元の体のまま転移するのと比べ、特殊能力を持たせることが容易になる点は利点でしょう。また転生と比べても異世界への知識がない点も物語へと大きく寄与します。しかし周囲は見知らぬ人であり、人間環境の変化が薄い点は欠点になります。

入れ替わり

上記3つと大分毛色の異なる性転換になります。特徴は自分の体が心(意志)と分離する点であり、目の前に自分がいるという描写もよく見かけます。

入れ替わっていると気づく原因は、目の前に自分かいること、呼称の変化、反射して映る像など。

他の性転換と比べ、利点は自分の体が他の地点に存在することでしょう。また知人と入れ替わった場合、連携を取ることで周囲を欺くという他の性転換に見られない協力が可能になります。その分行動に制限がかかる欠点もありますが。

中間性 そもそも性転換と扱うのか

転生

性転換と扱うか難しいジャンルの一つに、転生があります。転生直後に意思が残っている場合は後天性性転換、残らない場合は先天性性転換となります。

更に転生前の意思が目覚めるタイミングが突発的なときは、より重大な問題です。過ごした時期が転生前の方が長かったとしても、意思が戻ったところでどれだけ変化するのでしょうか。場合によりけりですが、周囲の環境、己の思想の双方が変化しない性転換を性転換と扱うべきなのでしょう。

個人的には、転生を性転換の一ジャンルだとしています。しかし性転換させたところで周囲も己も変化しないからこそ、性転換させた目的を明確にする必要があると考えます。

憑依・皮

憑依は自分の体から霊を取り出し他者に憑かせること、皮は自分の体に他者の皮を纏って変身することを指しています。いずれも先天性で可逆的な性転換です。

憑依・皮もまた性転換と扱うかが問題とされています。転生と違い、周囲からの感情は変化しており、被害者の意識が残されていれば扱いの変化に感情が揺さぶられるでしょう。

では何が問題なのかというと、これらは自分の体が一切変化していないことが槍玉に挙げられます。……これだけではVRゲームによる性転換も同様なのではないかという反論が出てきます。勿論これだけではありません。仮想現実上での性転換と違い(憑依の場合は特に)他人の体を使って思考している訳であり、徹頭徹尾他者の体を操作しています。

要するに下の様な論法によって性転換に分類されないのではないかとされています。

  1. 「憑依」は他者の体を操作することで、疑似的に性転換している様に扱っている
  2. 他者の体を操作しているジャンルは「洗脳」や「マインドコントロール(MC)」に分類される
  3. 「洗脳」や「MC」は性転換に分類されない
  4. したがって「憑依」も性転換ではない

一方で性転換に含める説も当然あり、様々なアプローチからこれらを性転換に含めると結論付けています。

  • 理論否定型:他人の頭ではなく霊的な魂によって考えているから問題ない
  • 状況重視型:現に異性の体になっているので性転換である
  • 類例提示型:例えばネカマを現実世界にフィードバックさせた漫画は性転換と扱われた。ならば憑依なども性転換ではないか

まとめ

先天・後天と可逆・不可逆

  • 先天性性転換:周囲や被害者が変化に気づかない。世界改変や順応化など
  • 後天性性転換:周囲や被害者が変化に気づく。入れ替わりやVRなど
  • 可逆性性転換:元の姿へと容易に戻ることができる。VRや憑依など
  • 非可逆性性転換:元の姿へと戻るのに一悶着必要、もしくは永久的に戻ることができない。入れ替わりや脳回路の移転など

性転換させる利点・欠点

利点は、人間関係を変化させる点である。どの分野においても男女差別(どちらが貴賤かは問わない)は少なからず存在している。性転換させることでこれらの違いを活用することは可能だろう。

一方で何故性転換させるのかは考える必要がある。安易な性転換は既存ストーリーの破壊にもつながりかねない。また(女装や男の娘などと同様)性転換の要素は人を選ぶものであり、大衆に受けるものではないということを理解する必要がある。

……と思って「君の名は。」はある程度のヒットだろうなと思っていた2016年初夏の頃。あの作品は、他の要素によって嫌悪感を超えることができる好例だと感じました。

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