大衆小説– category –
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今村夏子「星の子」感想 ふしぎな宗教に魅入られた両親の下で
今村夏子の「星の子」は2017年に発行され、本屋大賞にノミネートされた作品です。奇跡の水『金星のめぐみ』に救われた家族が宗教に傾倒するさまと、離れてく子供たちの心を描いていました。 宗教へ敬意を示し続けた両親と、宗教が嫌いなまま終わった子供。... -
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【湊かなえ「告白」_感想】教師として、生徒の殺人を許せるか
『これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学』(2010)を始め、立場による人の倫理観を問う書籍は数多くある。堅苦しい言葉を並べた哲学書から、子どもや児童に向けた絵本まで、それは多くの人に向けて売られている。 今回はそういった... -
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【本多孝好「dele」_感想】 故人が消すことを望んだデータを前にして
たとえ人が死んだとしても、ネットワーク上のデータは残り続ける。一方で消えてほしくない故人との思い出は、時間の流れと共に薄れ揺らいでしまう。 本多孝好作「dele」は生と死をテーマにした小説の1つである。依頼主が死んだときに指定されたデータを消... -
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【冲方丁「天地明察」_感想】天の理を探した”春海”の物語
『1年』を正確に求めることは難題です。また1日を決めた暦は祭事や神事、収益に大きく影響します。しかし1日でもずれたとしたら、その暦は使えなくなります。グレコリオ暦でも数千年後にずれが生じるとされ、今でもより正確な暦を研究している人たちがいま... -
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【朝井リョウ「何者」_感想】浪人生たちの現実へ向き合う覚悟
この作品は、メンタルが傷ついている現在就職浪人中の学生は読まないことをオススメします。 このページは朝井リョウ作「何者」の感想記事です。 一人称ならではのトリックで身を隠す拓人。しかし就職活動で出会った仲間によって、隠していた麻薬と向き合... -
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【新海誠「君の名は。」_感想】時を越えた入れ替わりのトリック
新海誠作「君の名は。」で起こった入れ替わり現象について考察するとともに、前半部の感想を述べていきます。王道のジャンルにも関わらず、映像作品でありながらトリックに気付かせなかった。伏線をはるためにこだわられた背景描写こそ、本作で最もオスス... -
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【伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」_感想】冤罪の闇から逃げ切れるか
首相が爆殺された。 異性の友人と共通の趣味ラジコン、花火工場でバイトしていた警官、痴漢の冤罪。積み重ねられた計画によって青柳雅治は犯人に祭り上げられた。 「とにかく逃げて、生きろ」爆死した親友、森田森吾の言葉を胸に、彼は逃走を誓う。 伊坂幸... -
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【百田尚樹「海賊と呼ばれた男」感想】国岡鐵造の3つの主義
百田尚樹作「海賊と呼ばれた男 上巻」の紹介記事です。出光の創業者出光佐三をモデルにし、彼の信念と経歴を記した小説です。本記事では主人公の信念3つを主軸にしてまとめていきます。 社員の一人一人を尊重し心中する覚悟で取り組むこと 社員を減らす... -
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【朝井リョウ「少女は卒業しない」_感想】最後の放課後、関係の変化
朝井リョウの「少女は卒業しない」の紹介記事です。3月25日という時期外れに行われる卒業式。高校が潰れる最後の日に着目したオムニバス形式の作品です。 各構成の結びつき・伏線の豊かさや学生が描く青春模様が魅力的だと考えています。 少女は卒業しな... -
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【朝井リョウ「少女は卒業しない」_感想】学園最期の朝、別れへの想い
朝井リョウの「少女は卒業しない」の紹介記事です。3月25日という時期外れに行われる卒業式。高校が潰れる最後の日に着目したオムニバス形式の作品です。 各構成の結びつき・伏線の豊かさや学生が描く青春模様が魅力的だと考えています。 少女は卒業しな...
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