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【運命の人は、嫁の妹でした。2巻感想】今度こそ運命に抗って君の隣へ
逢縁奇演による「運命の人は、嫁の妹でした。」2巻の感想記事です。
義妹とのキスを嫁に見られてしまった主人公。嫁の元許嫁と出会い、姉妹の乳母と再会し、別の前世に翻弄される。目まぐるしく展開が変わっていきました。
本作は運命によって定められた妹と恋のために運命に抗う姉の対比が特徴の近未来的SFです。
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逢縁奇演/ちひろ 綺華 KADOKAWA 2022年09月09日
読みどころ3選
- キャラクターの個性の強さ
- 繰り返される平行世界の設定
- 姉の夫を堂々と寝取ろうとする妹
1巻の感想・紹介記事
目次
小説情報
あらすじ
前世の記憶が蘇り、嫁・兎羽の目の前でその妹・獅子乃とのキスをやらかした俺は……寒空の下、家から追い出されていた。
『運命の人は、嫁の妹でした。』2巻表紙裏より一部抜粋。
だがその隙に、兎羽が実家に連れ戻されてしまい!?
果たして俺は兎羽と、失った信頼を取り戻せるのか! さらに、チキンな彼女の鉄壁ガードを解きほぐし、無事に夫婦らしく暮らせる日は来るのか!
主要人物
御堂大吾
横浜中華街にある『メゾン・ド・シャンハイ』の管理人。獅子乃によると作業服が似合うガテン系の人。
回復力だけには自信があり、骨折で真っ青に腫れあがった足を2週間で治した。
千子獅子乃
大吾の運命の人とされる、聖パトリシア学園中等部3年生。姉の夫を依存させて寝取ろうとする、すごく肉食系の少女。平静を装う様は女優やスパイ向きだと兎羽に思われている。
「ぴにゃっ」
千子兎羽
大吾の嫁で、聖パトリシア学園高校部2年生。思い切りが非常に良いが、攻められると弱い。
スレッジハンマーを所持。
「ふにゃっ」
フェイワン・レイエス・フローレス
37になる姉妹のメイド。17のときに来日し、乳母として仕えていた。大吾のことを知っている。
3人の上の部屋に引っ越してきた。
工藤刃
千子家に定められた兎羽の婚約者で、一家の顧問弁護士をしている。異性どころか有機生命体を非効率的だと論じており、獅子乃に「病的な変態」と扱われた。
結婚を極めて遺憾な行為だと思っており、誰よりも大吾と兎羽の結婚を祝福した。兎羽を呼び出したのも、彼女が事務手続きから逃げたから。
ストーリーPickup
R-18作家の実力
ライトノベル作家の中にはギャルゲー、エロゲーのシナリオライターからなった人もいます。「冴えない彼女の育てかた」の丸戸史明は戯画やLeafでシナリオを手掛けてたことがあり、同人界隈の描写やギャルゲーの小ネタにリアリティがありました。
本作の作者である逢縁奇演も、R-18作品を数年間にわたり作っています。経歴に違わず、間接的でありながらいかに描写するか官能描写に秀でていました。
R-15か疑いたくなるベッドシーンを2巻で出して、この後調整が効くのか心配です。
俺は彼女の口を食み続けた。時折、好きと囁くと、彼女の背筋がびくんと震える。シーツの下で、素足を絡ませた。
p.242より引用
広がり続ける設定
本作の肝となる前世の設定とフィードバック。2巻になり情報が追加されました。
1巻の情報と別の世界線が舞台となっています。今回は惑星1つを会場とした危険なレースが描かれました。2人はこのために創り出されたクローン人間として、地球を救うために挑みます。
御堂大吾と結ばれたい。そのために蒼い隕石で世界を壊し、次元を越えて、運命に打ち勝つ。追いつめられると本気を出す兎羽らしい姿と想いの強さが明かされました。
しかしシャシンによる巨大な隕石の変形、中庸騎士団として出てきたかたつむりことリンゲイト、怪し過ぎる存在クトゥルフの出現……解決したもの以上に謎が広がりました。
謎は前世だけではありません。新居に出てきた幽霊の手に、兎羽だけに見える人魚。特に記憶のフィードバックは肉体に影響を与え、兎羽との喧嘩の元となっています。
総じて2巻は設定の風呂敷を広げ、今後の展開に繋いでいった印象が強かったです。
恋心が明かされて
兎羽は大吾にクソデカ感情を抱えています。見ただけで心臓が高鳴り、彼の体温によって顔が赤くなる。ずっと前から好きだった人と結婚できたことを、未だ信じられずにいました。彼女はアニメの「押し」に近い感情だと表現しています。
獅子乃も大吾にクソデカ感情を抱えています。表では素面を取り繕っていますが、中身は全然違います。前世の記憶が蘇る度に赤面し、いずれ寝取りたいと考えていました。来世があるのならお嫁さんになりたい、彼の隣に居続けることを求めています。
終盤で獅子乃の想いが兎羽にばれてしまいます。悶々とする兎羽に堂々と寝取り宣言する姿勢は、2人の性格の対比が示されていました。
まとめ:次のラップへ
- 同人界隈出身らしい官能描写に強み
- 広がっていく平行世界の設定
- 「押し」として感激している姉と、姉の夫を堂々と寝取ろうとする妹の対比
逢縁奇演による「運命の人は、嫁の妹でした。」2巻の感想記事でした。次の方針に向けて伏線を広げていた巻だったと考えています。三角関係が周知となり、この平行世界の闘い方を決めた姉妹。
果たして次の平行世界はどういった舞台になるのでしょうか。
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