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【現代恋愛小説 感想】TS転生した私が所属するVtuber事務所のライバーを全員堕としにいく話
恋狸「TS転生した私が所属するVtuber事務所のライバーを全員堕としにいく話」はTS転生してメスガキキャラで堕としにかかったら、堕ちたVTuberによって高速でメッキを剥がされるラブコメです。主人公夢見蓮華は前世からVTuberが大好きで、今世の9割をVTuberへの努力に費やしています。その結果、変人しか集わない大規模事務所(通称肥だめ:平均登録者数45万人超)の2期生、花依琥珀になれました。初手からメスガキ魔法少女ガチレズ変態という性癖の塊を披露し、先輩全員を堕とすと決意表明しています。なお次の話で配信中ドッキリによって素の姿が明かされてしまいました。
「ボロクソ言い過ぎでは!? 美少女のざーこだよ!? もっと喜ぼうよ! 私なら軽く昇天するくらい興奮するんだけど! もっと……こう……欲望に正直にならない???」
第5話 ソロだからメスガキ(笑)配信 #堕とせ花依
本作の特長はVTuberを堕とすために培われた努力の描写でしょう。メスガキを演じたのも、声の特訓をしたのも、相手の情報を調べつくしたのも。全ては前世からの願いを果たすために費やしてきたと、モノローグから伝わってきます。TS要素は百合(精神的NL)にするため、転生要素はVTuberの素養を磨くためのものです。推しの事務所の前社長が不祥事を起こして、女性限定になったことが作中の理由となっています。口調や仕草からボロが出ないように彼女は変えていきました。
真面目な馬鹿が演じようと迷走する姿が好きな人、精神的NLの百合が好きな人へおすすめします。
目次
小説情報
基本情報
- 作者:恋狸
- URL(小説家になろう):https://ncode.syosetu.com/n5942hx/
- URL(カクヨム):https://kakuyomu.jp/works/16817330648115352758
- 文字数:144,242文字
あらすじ
夢見蓮華(ゆめみれんげ)はTS転生者である。
奴はVtuberが前世の頃から好きだった。
そのため、自分がTSした今、推しのVtuberとイチャイチャするために自分磨きをしてVtuberになることを決意する。
そして奴は花依琥珀(はなよりこはく)としてデビューし、メスガキキャラで所属事務所のライバーを全員堕としにかかる。が、奴は知らなかった。
奴が長年の努力の結果、自分が思うよりもハイスペックになってしまっていたこと。
どうせ失敗するし、せや!ビジネスてぇてぇを披露しよう!的な心持ちでいたのに全員堕とすことに成功してしまったこと。メスガキが分からされるまで残り──というかメスガキキャラに関しては光速でメッキが剥がれる。
主要登場人物
花依琥珀(夢見蓮華)
生粋のVTuber好きの転生少女。VTuberになるために幼いときからボイスの特訓などを積んできた。
メスガキキャラも先輩に気に入られるかつ被らないものだったが、メッキは簡単にはがされた。
全智
24時間配信し続ける特殊なVTuber。自分を余すことなく知ってもらうことを目指した引きこもりの武闘派。
アバターは眠たげな表情がデフォの桃髪、桃色の眼の美少女系。
ストーリーPickup
TS転生して喜ぶ主人公
現れたのは、腰まであるピンク色の髪をツインテールにまとめ、人好きする笑顔を浮かべた少女だ。人懐っこい性格をしていそうな少女は、はにかむとチラリと八重歯が見える。
極めつけはドンッ! と存在感を発揮する豊満なおっぱい。
どこからどう見ても男の理想を詰め込んだユートピアならぬハッピーセットである。
衣装は魔法少女をイメージしたピンク色のドレス。スカートは膝丈くらいで、背中には真っ白な羽が二対はためいている。
第2話 メスガキ演技系Vtuber
ブラック企業労働の合間に見るVTuberが癒しで、いつかは推しのVTuberとイチャイチャしたい。
そんな願望を持った主人公にとって、異性への転生は奇跡の産物でした。
コラボは男でもできるけどてえてえのためには(同事務所の)百合でなければならない、と彼女は豪語しています。
流石にブラック企業で働いていただけあり、他の子どもと比べて圧倒的な訓練を積んでいきます。
将来的に必要なスキルを身に付けていき、無事に夢の事務所でVTuberになることに成功しました。
どんな姿にもなれるけれど推しと被らないメスガキキャラを敢えて演じるところに、主人公のVTuber愛を感じます。
ゴミ掃除から始まる先輩攻略
「お初目にかかります。二期生の花依琥珀です。憧れの全智さんとお会いできてとても光栄ですが掃除させてください」
「……?」
何言ってるんだ、と言わんばかりの目で首を傾げる全智さん。前の世界ではハウスキーパーさんが掃除をしていたと聞いたが、今世ではどうも違う様子。
これが私がいることの差異なのかは知らないけど、こんな環境じゃ集中できない。
光速で剥がれるメスガキの仮面 #堕ちろ全智
本来の主人公は推しの活動に全力な少女で、決して地がメスガキな訳ではありません。
『24時間配信をしている』というぶっ飛んだ特徴を持つ全智相手だと知っていたのに、とっさに出た言葉がこれです。
これはわずか2回目の配信であり、メスガキの仮面はタイトル通り速攻で剥がれました。
推しとはいえ数時間単位で無償で掃除を行っており、この後はガキというよりできた娘のような扱いを受けることになってしまいます。
成り上がっても尚変わらぬもの
デビューして2ヶ月で箱をまとめる人材にまで成り上がりました。
まとめ役が事務所に産まれたことで、遂に箱コラボが実現します。
いつの間にか産まれた因縁も、事務所のスタンスの変化も、全てイレギュラーである主人公が中心にありました。
しかし主人公が追い求めるものは常に変わりません。
推しとのてえてえ。
全智への通い妻ドッキリなど彼女は新しい人生を謳歌していました。
まとめ:押しへの愛が為せる技
恋狸「TS転生した私が所属するVtuber事務所のライバーを全員堕としにいく話」はTS転生してメスガキキャラで堕としにかかったら、堕ちたVTuberによって高速でメッキを剥がされるラブコメです。
本作の特長はVTuberを堕とすために培われた努力の描写でしょう。メスガキを演じたのも、声の特訓をしたのも、相手の情報を調べつくしたのも。全ては前世からの願いを果たすために費やしてきたと、モノローグから伝わってきます。TS要素は百合(精神的NL)にするため、転生要素はVTuberの素養を磨くためのものです。推しの事務所の前社長が不祥事を起こして、女性限定になったことが作中の理由となっています。口調や仕草からボロが出ないように彼女は変えていきました。
真面目な馬鹿が演じようと迷走する姿が好きな人、精神的NLの百合が好きな人へおすすめします。
HJ小説大賞にて
圧倒的リーダビリティでストレスなく読み進められる本作は、なんといっても主人公を筆頭にキャラの立たせ方が秀逸であり、動画生配信というシチュエーションを活かしたテンポの良いキャラ同士の会話と、それを盛り上げる視聴者のコメントが臨場感を上手く演出しています。非常に時代性を感じさせる作品であることからパロディネタ等については多少配慮が必要な点もありますが、作品全体を通して読者を楽しませるサービス精神に溢れていました。
第4回HJ小説大賞前期
第4回HJ小説大賞前期 小説家になろう部門にて本作が受賞し、書籍化が決定しました。
カクヨムでの更新は23年10月末で止まっていますが、書籍化に伴って追加されていくのか、今後に注目です。
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