「負けヒロインが多すぎる!」のキャラクター、八奈見杏菜の魅力とは

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雨森たきび/いみぎむる「負けヒロインが多すぎる!」(通称マケイン)のキャラクターである、八奈見杏菜の魅力を紹介する記事です。

色々な負けヒロインが登場する本作ですが、八奈見杏菜の負けっぷりは他ヒロインを頭一つ抜けています

一方で1巻の看板キャラクターらしい王道の可愛さも魅力の一つです。

王道で最強クラスの負けヒロイン、八奈見杏菜の魅力について触れていきます。

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目次

八奈見杏菜_主要関連人物

八奈見杏菜

ゆるふわ可愛い系でクラスでも目立った存在で、たぶん本作のメインヒロイン。

袴田とは十二年来の幼馴染で、子供の頃に結婚を誓った仲だった。

袴田の恋愛物語のクライマックス、空港に行くきっかけを与え送り出したことで負けヒロインとなる。

「お嫁さんって、いくつの頃の話?」

「小学校に上がる前だから4、5歳くらいかな」

 それはノーカンだろ。

「これって浮気じゃないのかな。ちょっと可愛くて胸が大きい転校生が来たからって乗り換えるとか」

(中略)

「やっぱ八奈見さんと袴田、付き合ってたんだ」

「え? や、やだ、そう見えたかな。ちっちゃな頃からお似合いだって言われててね。やっぱり外からはそう見えるよね。えへへ」

 赤らめた頬を恥ずかしそうに押さえる八奈見。

 え、つまりそれって……?

「付き合ってなかったのか? じゃあ浮気でもなんでもないじゃん」

 俺の言葉に、八奈見の顔色が変わる。

「負けヒロインが多すぎる!1『~1敗目~ プロ幼馴染 八奈見杏菜の負けっぷり』」 

袴田草介

八奈見杏菜の幼馴染で温水たちのクラスメート。

クラス内でも明るく目立った存在である。

転校生の姫宮華恋と熱烈な物語を繰り広げ一ヶ月でクライマックスに行ってしまった。

温水のことを高く評価しており、八奈見を託せる相手だと信じている。

姫宮華恋

少し前に転校してきた、煌びやかなオーラをまとった少女。

華やかな美貌と明るさは温水をして正ヒロインの風格だと認めている。

転校初日に袴田に痴漢(誤解)され、僅か1ヶ月で仲を進展、イギリスへの引っ越しを引き留められたことで結ばれた。

姫宮は八奈見を親友だと信じているが、彼女の気を遣わずにイチャイチャしている。

温水和彦

ツワブキ高校1年C組のぼっち。

ぼっちに達観しており、学校中の水道の味を夏までに覚えきった猛者。

趣味はライトノベルで大人買いをする派。

2つ下にパーフェクトな成績とブラコンを両立する妹・温水佳樹がいる。

焼塩檸檬

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こんがり日焼けした体育会系少女で、1-Cクラスの人気者。

Dクラスの綾野光希に惚れていたが、塾で付き合った千早という少女の存在を知り振られる。

小鞠知花

人見知りで不愛想すぎる文芸少女、マケイン3号。

文芸部の部長に惚れていたが、彼が夏合宿のさなかに副部長に告白し受理されたことによって、間近で振られた。

小説の腕は確かで、悪役令嬢モノの投稿小説をネット小説の日間ランキングに押し上げている。

三島由紀夫×太宰治派閥。

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八奈見杏菜の魅力4選

以下シリーズ5巻までのネタバレが含まれます。

王道過ぎる負け展開

八奈見杏菜には袴田草介という幼なじみがいました。

小学校に入る前からの付き合いで、当時に結婚を誓うという甘酸っぱいエピソードも残しています。

しかし、ツワブキ高校に入ってから真のヒロインが現れました。

転校生でクライマックスに海外に連れていかれそうになる。わずか1ヶ月で出会いからゴールインまで電撃的にいった姫宮華恋に勝つ術はありませんでした。

この物語の間、八奈見杏菜に課せられた役目は『空港に行こうか悩む袴田を後押しする』だけ。物語に定められたかのような圧倒的敗北でした。

温水の物語が始まったときには、10年以上も切り出せなかった彼女の初恋は跡形もなく終わっていました

食欲旺盛で豊橋名産品の紹介係

ファミレスでやけ食いしているときに温水に出会っただけあり、八奈見杏菜は相当な大食いです。

運命の日にはやけ食いがかさんで、温水に3,617円の借金をすることとなりました。

  • サラダ+スープ(杏菜) ※ミックスサラダ(s)+日替わりスープ
  • ハンバーグ(杏菜)税込659~714
  • スープセット+α(杏菜)税込440
  • デザート(杏菜) ※品目不明
  • 山盛りポテトフライ(杏菜)税込439~494

周辺の特集記事で挙げているように、大体の名産品は彼女が食べて登場することで紹介しています

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唯一と言っていい程自立描写がない

八奈見杏菜の特徴として、負けヒロインたちの中でも唯一敗北を諦めずにいる点が挙げられます。

5巻まではそれぞれ表紙のヒロインに着目して、ストーリーが展開されてきました。

他の負けヒロインは新たな道を行ったり、変わらないことを決意して自立しています

  • 焼塩檸檬は、2巻で綾野光希との恋に、決着をつけ変わらず友達でいると決意を固める
  • 小鞠知花は、3巻で部長・玉木慎太郎への想いに、文化祭の展示を通して自分なりのけじめをつけた
  • 志喜屋夢子は、4巻で過去に玉木を押し倒した事件に対して、月之木古都への憧れだと納得したうえでフラれた
  • 温水佳樹は、5巻で兄・温水和彦への恋心を折るつもりはないと結論付ける

一方、1巻で八奈見杏菜がやったことは以下の2つです。

  • 温水への借金返済
  • 温水・袴田の話に乱入し、恋を諦めていないと宣言

一見彼女なりにけじめをつけたように見えるかもしれません。

その後の巻でカラオケや同窓会に誘われ、毎度のごとくカップルオーラに当てられて凹んでいます

アプローチもできておらず、それなのに次に切り出せない。諦めの悪さも負けヒロインらしいといえました。

温水和彦への執着心

自分のアプローチが上手くいっていない一方、温水が周りからアプローチを受けるのも気に入りません

こいつにだけは負けたくないという思いなのか、別の女性と一緒にいることを好みません。

その特徴が一番現れたのは4巻末尾のシーンでしょう。

 なぜか突然振り返った八奈見が、俺をジッと見つめてきたのだ。

「え、どうしたの八奈見さん……?」

 八奈見はそれには答えず、ニマリと笑ってみせる。

 そして俺のマフラーに手を伸ばすと、軽くというには少し強めに首を絞める。

「温水君、抜け駆けは禁止だからね?」

「負けヒロインが多すぎる! 4 『エピローグ カクシゴト』」

なおこの後バレンタインデーには圧縮されたチョコレートを部活動に提出しています。

袴田たちと作った手作りチョコ(推定)を自分で食べて、1個だけ温水にプレゼントしています。綺麗に放送された逸品で、温水には義理チョコだと解釈されていました。

嫉妬とも取れるし、ささやかな恋心とも取れる。自分の気持ちをはっきりとせず、独り身でいて欲しい執着心も負けヒロインらしいポイントです。

まとめ:最強クラスの負けヒロイン

小説で勝つヒロインの特徴

  • 自分の目標に向かって努力し、困難に立ち向かう強い意志を持っている
  • 個性豊かな感情を持ち、興味深いキャラクターである
  • 信頼できる仲間や師匠、友情、愛情などによって支えられる
  • 物語を通して対立や苦難へ立ち向かうことによって、成長や変化をする
  • 運や偶然に恵まれている

八奈見杏菜は最強クラスの負けヒロインです。

努力に向かって行動せず、比較的単純な性格をしており、信頼できる仲間から逃げ、物語で大きな波にさらされず、間違いなく運に恵まれていない

ことごとく勝ちヒロインの条件を外して作られたキャラクターといえました。

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