アニメ『ライアー・ライアー2話』の謎解きとキャラクター分析:イカサマという選択肢

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本シリーズはライトノベル出身のアニメ『ライアー・ライアー』にて、削られた部分を補足しつつ感想を書いていく記事群です。

第1回では第1話「王と嘘」について7点補足しつつ感想を書いていきました。第2回では第2話「忠義と演技」を中心にみていきます。

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目次

『ライアー・ライアー』のあらすじ

学生同士がランクを決めるゲームを繰り広げる学園島。篠原緋呂斗は国内最難関の学園島編入試験で歴代トップの成績を叩き出し、昨年度の絶対王者・彩園寺更紗を転校初日で陥落させた。結果学園島史上最速で頂点に1人だけ君臨する7ツ星に成り上がった。

そんなものは全て嘘だ。大切な人に会うために外部からやってきただけの一般人で、本当の星はたった1つしかない。しかし、学園島に残るためには嘘でもトップにいなければならない。姫路白雪のイカサマも、偽物だった彩園寺更紗との共犯関係だって活用する。

じゃあ、世界を騙す嘘を始めよう。

ライアー・ライアー2話「忠義と演技」の展開と7つの補足

アニメで描写されていなかった背景、疑問視される展開を補足していく項目です。

この項目内の挿絵は全て、©2023 久追遥希/KADOKAWA/ライアー・ライアー製作委員会のものを使用しています。また彩園寺更紗(朱羽莉奈)については、アニメ化する範囲で本物の彩園寺更紗は登場しないため、彩園寺表記で統一します。

姫路白雪のヘイト

序盤のシーンに大きなカットは見られません。手料理についても原作通りの逸品が提供されています。

挿絵の女性姫路白雪は彩園寺家に仕えているメイドです。彩園寺関係の生徒が多数在籍する三番区桜花学園の4つ星で、2巻以降には英名学園へ転校することになります。本業は偽りの7つ星が負けないように補佐(裏工作)する仕事であり、住み込みの家事はついでの業務です。

そんな銀髪の姫路ですが、一か所だけ原作からカットされています。引用箇所の『ふぅ……』以降、つまり一ノ瀬学長への蔑称が消されていました。

「敬語はおやめください。……それと、隠れていた理由ですが、端的にいえば情報伝達の不備ですね。わたしがお待ちしていたのは確かに”シノハラ”様ですが、男の方とは聞いていませんでしたので。ふぅ……全く、謀りましたねあの女狐」

『第二章 偽りの7ツ星、誕生』より

違法手段について

「――イカサマ・・・・、ですよ」

ハッキングツールを警戒したアプリケーションを使用し、違法技術に精通する。姫路白雪のもう1つの顔は、少数精鋭の補佐チーム《カンパニー》のトップでした。

アニメでは説明されていませんでしたが、学園島にはカースト制度の一種が敷かれています。

  • 一定の星がなければ入店できない
  • 高ランクでないと閲覧できない裏サイトが存在する
  • 自分より星の少ない相手の情報を閲覧できる(第1話で彩園寺が言及)

決闘以外にも露呈する要素はたくさんあるのです。姫路は側近担当、加賀谷は電子機器担当……と専門分野を行使し、虱潰しに潰していきます。

即落ち2コマが行おうとした賭け

この男性生徒は最初の登場時点で負けていました。果たして彼はどんな手段でジャイアントキリングを成し遂げようとしていたのでしょうか。

彼の名前は柴田響。九番区・神楽月学園の2年生で、等級は2つ星になったばかりです。勝負内容は《50/50フィフティ・フィフティ》、相手がセットしたカードの裏表を当てるだけのゲーム。アビリティにも頼れない人に向けて、運と人海戦術へ全てを委ねることを選びました

ただし7つ星イカサマに数に任せた手段が通じるわけがありません。ここは星2つの差が絶対的な差になり得る学園島なのです。例として5つ星以上のアビリティの中には『相手の端末を覗く』というものがあります。

低い星の人にとっては無知の特攻の結果として、高い星の人にとってはアビリティを用いた至極当然の結果として。イカサマだと勘づくものは誰も現れませんでした。

疾風怒濤のタイミング変更

原作では《50/50》の次の日の放課後に行われた決闘ですが、当日の昼放課に変更されています。四番区にある総合陸上競技場を会場としており、キャパシティ5,000人の40%が見学していると描写されていました。告知から数時間でよく原作以上に観客が集まったと感心します。

対戦相手は十一番区の3つ星、浦坂波留。挑んだ勝負は乗り物有りの100m走《疾風怒濤》でした。

結果だけ見れば篠原の圧勝。観客+50万人以上の作中視聴者に向けて、自分が用いたアビリティの説明を始めます。

  • 無効貫通Lv7:《干渉無効》の効果を無効にする
  • 強制停止:相手の乗り物を強制的に停める
  • 安全装置:原作ではグラウンドの材質を変更して、アニメでは走り高跳びの器具を召喚することによって衝突を防ぐ

アビリティを他に割ける余裕が、偽りの7つ星にあるわけありません。《無効貫通Lv1》を3つ付けて《干渉無効Lv3》と相殺したというのが実情です。

《無効貫通》のレベルの合計が《干渉無効》のレベル以上でないとハッキングも無効化されます。Lvが星の数と比例するため、4つ星以上に同じ手を取られると勝てません。

タイミングが違ったことで、解説に彩園寺が来た理由が変わりました。前日(第1話)に伝え忘れたメッセージをここで回収しています。

彩園寺がアクセスの悪い喫茶店を選んだ理由

彩園寺が”待ち合わせ場所”として指定したのは喫茶店でした。

  • あらゆる交通機関からのアクセスが悪い
  • 人通りの少ない僻地
  • 路地裏にある古書店の地下
  • 階段は本棚の陰に隠れている

原作の描写を抜き出すと、どうしてそこに建てたのかを問いたいレベルの空間です。ここまでの道順を手のひらサイズのメモ1枚でどうして伝わったのか分かりません。とはいえ等級の制限がなく、人除けが簡単にできるという利点が大きく、彩園寺のお気に入りの喫茶店となっています。

篠原が転入した理由&ゴール地点

篠原は幼なじみと数年越しに出会うために学園島にやってきました。どうして転入という手段を取ったのでしょうか。

答えは単純で、去年は受験に落ちたからです。学園島に留まると決意するほどの強い想いでも、学力は水準に届きませんでした。一ノ瀬学長のスカウトが大きな恩であり、相応以上の価値を示すことを期待されています。

アニメではカットされましたが、このとき彩園寺から篠原のゴール地点が提示されていました。本物の7つ星は島内の全情報を閲覧できる権限を持っています。生徒のデータベースから失せ人を探すことなど一瞬です。5つ星以上は他人からの強奪でしか増えないため、現在本物の7つ星は存在できません。

例外は篠原緋呂斗が色付き星を7つ揃えること

途方もない目標ですが、ストーリーとして一応のゴールが出てきました。

彩園寺更紗の行方

アニメでは、本物の彩園寺更紗は桜花学園に入学する直前に誘拐されたとだけ言われています。実際はもう少し複雑な事情がありました。

朱羽が彩園寺として通っている理由は、島の最高責任者彩園寺政宗に提案をしたから。彩園寺家の総意として誘拐事件を公表しないことを求めました。逡巡の後受け入れられ、彩園寺家が管理する赤の星を渡されています。

次に元7つ星の朱羽が見つけられていない時点で、本物の彩園寺更紗は学園島にいないことは明らかです。動揺を誘ったはずの犯人も動きがなく、世界屈指の捜査範囲を1年以上潜り抜けてきました。

幸いなことに本物の彩園寺の姿を知る者はほとんどいませんでした。箱入り娘として英才教育を施す家庭方針が救いとなっています。故に朱羽が彩園寺のイメージ通りに偽ることは十分に可能でした。

どうして朱羽莉奈は高校生活を犠牲にしてまで、彩園寺更紗を騙ったのでしょうか。

「忠義と演技」まとめ:イカサマの始まり

今回の記事のまとめです。

  • 姫路は一ノ瀬学長に気を遣えるように進歩した
  • 《カンパニー》が用いる違法手段は主にハッキング
  • 学園島の決闘システムに運のジャイアントキリングはない
  • イベントのタイミングが全体的に早まる
  • 喫茶店はセキュリティとお気に入りを両立した選択
  • 本物の7つ星になれば目的の人の居場所は分かる
  • 朱羽が彩園寺を騙る計画は朱羽が発案したもの

アニメ2話「忠義と演技」は原作1巻の第二章から第四章の中盤までとなっています。1巻のラスボスとなる5つ星久我崎晴嵐も登場して、ようやく本格的な決闘が期待されました。

実際はどういう展開になったのか、第3話以降も感想兼補足記事を作成する方針です。

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