【幼なじみが絶対に負けないラブコメ_感想】初恋の毒と恋の行方

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二丸修一作「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」は恋愛感情の変化が激しいラブコメ小説です。誰を好きだと気付いて素直に動く。目まぐるしく変わる関係が特色となっています。

幼なじみは負けると言われる昨今、表紙のヒロイン志田黒羽は勝つことができるのか。

笑劇のオチに笑わされる作品でした。

読みどころ3選

  • 初恋の人に見ていて欲しいという毒
  • 誰かへの恋から始まる小さな企み
  • 目まぐるしく変わる人物相関テトラアングル
  • (しぐれうい先生のイラスト)
目次

小説情報

あらすじ

志田黒羽は陽キャでクラスの人気者、かつ中身は世話焼きの文句なしの幼なじみである。でも俺は作家で学園のアイドルである、可知白草に恋してしまった。

俺にだけ笑顔で接してくれるのだから、脈があるのかもしれない。そんなとき白草に彼氏ができたと知ってしまった。

最高の復讐をしてあげようよ――失意に沈む俺へ黒羽がささやいた。

主要人物

丸 末晴

私立穂積野高校の2年生。高校1年生の冬に白草と会話し、初恋に落ちた。生徒会主催のイベント『告白祭』で告白する予定。

隠している才能と経歴があるが、他の主要人物は全員知っている

可知 白草

クールな雰囲気の黒髪少女。高校1年生で小説家デビュー、3か月後に登竜門の芥見賞を受賞した。全国レベルの有名人で学園のアイドルとされる。初恋の人は小学生のときに会った有名人の少年。

男嫌いとして有名。しかし末晴には他の人と違った視線を向けている。

志田 黒羽

末晴のクラスメイトかつ隣の家に住んでいるという、典型的な幼なじみ。栗色のミディアムストレートヘア。148cmと低身長ながら面倒見のいい姉属性。初恋の人は末晴。

末晴から好意と尊敬の念を向けられていると気づいている。けれど、夏休み前に末晴に振られたことを根に持っている

甲斐 哲彦

末晴の悪友でサークルメンバー。夏休み前に3股かけて総スカンをくらった後も、7股に成功したモテ男。所業の結果クラス内カーストは最底辺。初恋は無断に弾けた。

女は男を騙す生物だと考えている

阿部 充

俳優の父親を持ち、最近俳優デビューした先輩。演劇のレベルが低いことを自覚している。

とある願いを叶えるため、1週間前に白草と付き合った

「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」ストーリーPickup

以下、ネタバレ注意です。

PHASE1 志田黒羽_最高の復讐への協力

志田黒羽は可知白草のことをよく思っていません

幼なじみの末晴が失恋したことを知ると、黒羽は復讐を提案しました。最初は末晴も渋ります。そこへ恋人する白草たちを思い浮かべさせ、末晴自身に復讐を宣言させました

黒羽は白草のことをよく思っていませんでした。幼馴染の末晴が失恋したことを知ると、すかさず復讐を提案します。渋る末晴へイチャイチャする白草たちを思い浮かべさせ、自分から復讐を宣言させる徹底ぶりです。

白草のお相手は俳優で先輩である充。一筋縄でいく相手ではありません。

  • クラスメイトに聞いても良いところしかでてこない
  • 非合法に弱みを握っても悪印象が返ってくる
  • 何より虚しさしか残らない

偽物の恋人関係になって白草を嫉妬しっとさせる。黒羽が発案する最高の復讐でした。

黒羽は2か月前に末晴に告白して振られています。黒羽案には、彼女の想いが多分に含まれているように思えます。

疑わずに末晴が乗ってきた辺りに、直情的な青春を覚えました。

PHASE2 阿部充_天才子役の影を追いかけて

阿部充にとって丸末晴は越えたい壁です

末晴は視聴率30%超えを叩き出した”天才子役”で、父に継いで俳優を志すきっかけとなった人物でした。人気の絶頂の最中、6年前に雲隠れしています。高校3年生になった今でも、末晴に演技の腕で勝てると思えませんでした。

末晴はいつ舞台に戻ってくるか分かりません。ならばどう末晴に勝てばいいのでしょうか。

うん、そうなんだ。僕が白草ちゃんと付き合おうと思ったのは、単純に君に屈辱を味合わせたいがため――そういう側面は大きいな。


『[その二]初恋だからしょうがない』

相手の初恋の人物を大々的に奪ってしまえば勝てる黒羽と同じ発想でした。

勝負する場として告白祭を選び、タイムリミットを出してあおる。末晴が壁を思い切り殴りつけるほど、充の演技は本音に聞こえました。

真の目的を達成するため、充は全力で踊りの練習を重ねます。行く先が見えてさぞかし良い表情をしていたと思わされました。

PHASE3 可知白草_突然会えなくなった君

可知白草は人生観を変えた初恋を隠していました

昔の白草は不器用で引っ込み思案でした。毎週楽しみにしていたドラマから、同年代の主人公の成長に心惹かれていきます。彼女にとって父親がドラマのスポンサー企業の社長なことは救いでした。

父親を通して主人公役の俳優、スーちゃんと出会うことができました。何度も招待して遊ぶ日々の末、少女は初めての夢を描きました。

『わたしが物語を書いて、スーちゃんに主役をやって欲しい』

伝説級の人気俳優となった少年と会う機会は減っていきます。そして6年前、彼は芸能界から姿を消しました。どうして帰って来てくれないのか。白草はやがて1つの復讐を思いつきました。

最高の女になって、少年に離れたことを後悔させる

末晴、充、白草。同じような発想をする人たちが3人揃いました。

PHASE4 丸末晴_2人が求めていた舞台の先で

末晴は初恋を取るか、隣にいてくれた幼なじみを取るか悩んでいました。

末晴は告白祭の勝負に向けて特訓を重ねていました。トラウマから踊れなくなっていたこと、6年間のギャップで体力が落ちていたこと。課題だらけの中でも、隣には哲彦と黒羽がいてくれました。

哲彦は黒羽の恋心を応援していました。そっちの方が面白そうだから。直感を信じて、黒羽の思惑をアシストしています。

充たちの思惑に乗って勝ち、思いの限りを伝える

初恋を奪われた復讐心か、幼い頃の思い出か、隣にいてくれた相棒か。コメディ調の作品の中、唯一の緊迫した場面でした。

まとめ:幼なじみは絶対に負けない

  • とある少年阿部 充は『憧れの天才子役が舞台から逃げた』ことへ嫉妬して、勝負の舞台を整えた
  • 元天才子役丸 末晴は『初恋の少女が嫌いな男と付き合う』ことへ怒りを覚え、復讐を決意した
  • とある少女可知 白草は『大切な少年が約束を破った』ことから寂しさを感じ、後悔させると奮起した

二度あることは三度ある。初恋故に復讐を志した3人が相対したとき、4人目の黒羽はどう感じていたのでしょうか。

『幼なじみが絶対に負けない』というタイトルをどう回収するか、黒羽の行動に注目が集まります。

「――クロ! 好きなんだ! 俺と付き合ってくれ!」
黒羽は今まで見たことのないような満面の笑みを浮かべると、マイクに向かってはっきりと告げた。
「――――ヤダ」


『[その四]我、初恋復讐完了す』

初恋の毒はテトラアングルを回って、主人公へ帰っていきました。

二丸修一作「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」は目まぐるしく相関関係が変わっていくラブコメ小説です。

白草から末晴へ、黒羽から末晴へ、末晴から黒羽へ。どの想いも本物で、素直なまでに爆発しました。一番の勝者は『憧れの人と勝負する』という望みを果たした充でしょう。

『勝つ』ではなく『負けない』。確かにタイトル通りだと笑わせてもらいました。

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