【RTA_二次創作紹介】30秒は肉体より重いのか? 『ストライクウィッチーズRTA「駆け抜けた空」』

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A man who dares to waste one hour of time has not discovered the value of life. (一時間の浪費をなんとも思わない人は人生の価値を見出していない人だ)


チャールズ・ダーウィン

『50億円を渡すから50年をください』あなたはこの問いにどう答えるでしょうか。

鹿尾菜作『ストライクウィッチーズRTA「駆け抜けた空」』の紹介記事です。これは侵略戦争によって孤独になった少女が、復讐の感情の代わりを導き出すまでの物語です。時間を追求するあまりに失った感覚は数知れず。それでも少女は意志を押し通し切りました。

あなたには時間よりも大切なものはありますか?

RTA小説とは まとめ記事
”RTA小説”の特色とおすすめ作品【更新:2022年9月】
「RTA小説」「RTA風小説」といったジャンルが、一時期二次創作小説界隈で流行っておりました。走者は原作を踏襲しつつ、より速く目的を達成しようと目指します。その中でのテクニックのユーモアさや周りの人との認識の違い(すれ違い)が魅力だと考えています。 本記事では「RTAと通常攻略の違い」をスタート地点としてRTA小説の特徴をまとめて、具体的な作品名を載せていく方針です。

小説情報

小説データ

URL:https://syosetu.org/novel/244370/
作者:鹿尾菜
警告タグ:R-15, ガールズラブ, オリ主, 残酷な描写, クロスオーバー
話数(2022/08/05):79話 352,117文字
UA(2022/08/05):387,595

あらすじ

1939年第二次ネウロイ大戦勃発直後からのシナリオを走っていく。最高難易度のトップエース級、カールスランド(ドイツ)出身の少女ハルを操作して、ネウロイの侵略を食い止めていく。タイムの為に失われた感覚が周りの少女を傷つけたとて、走者は、ハルは走ることを諦めなかった。

主要登場人物

アントナー・S・ハル

動員時10歳の語り部。外交官の娘で最低7国語を話すマルチリンガル。固有魔法:加速度は慣性を抑えることで不規則な動きを可能とするもの。陸では溌溂で優しい子なのだが、戦場では態度が一変し淡々と屠っていく。そのため、二重人格の疑いがかけられている。

エーリカ・ハルトマン

カールスランドどころか世界屈指のエースドライバー。プライベートはずぼらだが、戦闘能力は文句ない。初期の頃から何かと同じ隊にいる。

ラスボスになることもあるが、称号獲得が不可能となる(走者談)。

ロミルダ・リーデル

走者からは僚機ちゃんと呼ばれる子。カールスランド出身の徴兵組。後に合流する真由美とは犬猿の仲。

烏李芽真由美

扶桑海軍に所属。合同任務を機にカールスランド空軍に編入される。走者からのあだ名は「ピンクちゃん」でどことなく夢〇りあむ臭がする自己肯定感の低さが特徴。

原作:ストライクウィッチーズ

20世紀初期、ネウロイという謎の存在に侵略を受けた地球が舞台。通常兵器が効かず、魔導エンジン搭載の箒「ストライカーユニット」を操作できる「魔女ウィッチ」だけであった。

そんな都合で美少女しかいない戦闘航空団が舞台の物語。ヨーロッパの侵略がほぼ終わっている世紀末状態なのだが、「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!」の迷言をはじめにコメディよりである。2008夏からアニメ化、系列は2022夏にも更新中。

ストーリーPickup

以下、ネタバレ注意です。

ストーリーPart:最短効率で狩る少女

とある世界戦において侵略者ネウロイを狩る少女がいました。地では年相応に天では機械のように。先を知っているか如く機体を操る彼女は、わずか10歳で帰る場所を亡くしていました。

元凶は走者です。事前調査によって得た知識、VRを介した直接操作。戦闘パートを操作し日常パートをスキップしているから生じる疑似的な二重人格。さらには10歳で家族を失った設定にされれば、復讐にとらわれても無理はないでしょう。

いずれ成功に終わることが分かっている、どんな末路であれ保証されていることが唯一の救いだと信じています。

RTA Part:必要な負荷、不要な感覚

走者にとってアントナー・S・ハルは最速のタイムを出すための操作キャラクターに過ぎません。後述するように愛着は持たれているのですが、勝手に戦闘に必要ない感覚を排除していました。

そもそもプレイしているゲーム『ストライクウィッチーズ Enemy front line』はものすごく高性能なVRゲームです。五感全てを再現しており、五感の反映の有無をキャラクターに反映する一工夫が為されています。

つまり、走者が不要だと外した痛覚や味覚が消されていることに。これを淡々と受け入れるハルの強さを感じさせる場面でした。

ストーリーPart:失われていく感覚

当人にとって問題ないと感じる感覚の喪失。しかし周りにとっては話が変わります。周囲から見たハルは年少の徴兵組、初戦に大戦果を挙げた天才、生き急いだバカ真面目な少女でした。戦友というより守ってあげたい対象ともいえます。

そんなのが戦に出るたびにルームメイトを亡くし、おやつの味を感じなくなり、挙句片腕を失ってくる。当然のように周りを曇らせていきました。

RTA小説の主人公は捨て身で速度を追い求める特徴があり、何かと周囲が曇っていく描写を楽しむ読者もいたりします。この作品は特にその側面が強いように感じました。

RTA Part:わずか30秒のために

本編中最も非道だった操作は、「part 32反攻第501JFW 1」におけるバグスキップでしょう。

このバグ技を使用する場合大型を2機撃墜してからとなります。
またビームに被弾と同時にメニュー画面を開いてミッションをリセット。後は左脚と右脚を前後に3回ブラブラするだけでOKです。この時被弾ダメージで身体に深刻な欠損が発生していることが条件となります。
失敗した場合はリセット。

この作戦は残念ながら成功します。左肘より先としばらくの入院生活の代わりに得たタイムはわずか30秒

4時間超えの中で1秒を競うRTAにおいて30秒の短縮は偉大なものです。ただそこにいた人々にとって30秒の価値はそれ程大きかったのでしょうか? おそらく否でしょう。でも、ハルは立ち止まりませんでした。ましてや大規模破壊兵器の実験へ立ち向かい、故郷ヨーロッパの平和を勝ち取りました。

まとめ:限界をみた先へ

鹿尾菜作『ストライクウィッチーズRTA「駆け抜けた空」』の紹介記事でした。これは侵略戦争によって孤独になった少女が、復讐の感情の代わりを導き出すまでの物語です。時間を追求するあまりに失った感覚は数知れず。それでも少女は意志を押し通し切りました。

 

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