【ライアー・ライアー 感想】少年たちは誰かのために嘘を吐く

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久追遥希著「ライアー・ライアー」は望みを叶えるために嘘を押し通そうとする高校生を描いた学園ものです。ライトノベルの中でも、「如何にゲームを攻略するか」というところに特化しています。

前作「クロスコネクト」からゲーム攻略分野が進化しました。学園島や階級制度といった背景設定が、ライトノベルを好む読者にとって読みやすく仕上がっています。解けない問題も早々ないため、物語としてだけでなく自分だったらどう解決するか、考えれ見るのも一興です。

読みどころ3+1選

  • 誰のために嘘を吐くのか
  • ゲームをどうやって攻略していくのか
  • 秘密を共有できる間柄
  • (konomi氏のキャラクターの可愛さ)
目次

小説情報

あらすじ

学生同士がランクを決める決闘(ゲーム)を繰り広げる学園島(アカデミー)。俺、篠原緋呂斗(しのはらひろと)は国内最難関の学園島編入試験で歴代トップの成績を叩き出し、昨年度の絶対王者・彩園寺更紗(さいおんじさらさ)を転校初日で陥落させ、学園島史上最速で頂点に君臨する“7ツ星(セブンスター)”に成り上がった。

――ああ、もちろん、そんなのは全部嘘だ。

大事をやらかした俺が学園島で目的を果たすためには、嘘でもトップに君臨し続けなきゃいけない。そのためならば、俺を主人として補佐する美少女メイド姫路(ひめじ)のイカサマも、実は偽お嬢様だった彩園寺との共犯関係も何でも使ってやる。じゃあ、世界を制する嘘を始めよう。

主要人物

篠原緋呂斗

四番区英名学園の転校生。会わなきゃいけない幼馴染のために学園を騙し通すと決意する。特技は感情を隠すこと

学業成績はお世辞にも良いといえず、裏口でなければどこの学区にも入れなかった。

彩園寺さいおんじ更紗

三番区桜花学園2年のお嬢様。理事長の孫で、学園内で最も優秀な成績とされる7つ星であった。昨年の決闘の成績は117勝無敗、高い成績の生徒に絞ったうえで数値を叩き出している。

彼女にも隠し通さなければならないことがある。

姫路白雪

三番区桜花学園の4つ星。サポートチーム《カンパニー》の代表で、篠原のサポートメイドを務める。

イカサマが得意」と語り、決闘が絡むと軽く嗜虐性になる。

彩園寺家に仕えているため、更紗の秘密をある程度知っている。

一ノ瀬棗

四番区英名学園の学長兼トップ。篠原を魅力に思い、不正を働いてでも手中に収めた。

篠原に嘘を吐かせるきっかけを作ったことなど、姫路に女狐呼ばわりされている。

風見鈴蘭

三番区桜花学園の3つ星。広報組織ライブラの記者で、決闘のMCも務める。

久我崎晴嵐

八番区音羽学園の3年生で5つ星。藍色の星を持つ。初めて土を付けた更紗に心酔し、何度も挑んでは負けてきた。そのたびに一瞬で5つ星へ戻した逸話から不死鳥のあだ名を持つ。

篠原にとって最初の強敵となる。

用語集

星システム

舞台となる学園島内のルール。数によって扱いが変わり、権力やランキングだけでなく利用店舗やSNSなどにも影響する。

成績や報酬、決闘によって移動する。

☆1~☆2で約60%、☆3で約30%、☆4で約10%、☆5が0.1%とピラミッド状に推移。特に☆6以上は決闘でしか上がらない。

アビリティと等級

アビリティとは、決闘で使うことのできるアプリの事である。最大3つまで持ち込み可能(重複アリ)。

また等級によって強度や内容が違っており、高い星の相手に勝ちにくい状況となっている。特に☆1が☆5以上に勝ったことはない

色付きの星

実用性からネタに振り切ったものまで、特殊能力が付与された星。地区の合計数と同じ20個存在する。

7つ星がより上に行くための必須条件。

教えて姫路さん

一巻の中に3回行われた講座。学園島のルールを知らない篠原へ、姫路が図を交えて教えてくれる。

『一ノ瀬学長の言葉を借りればモブです。雑魚です』『1つ星に毛の生えた程度の等級です』と一部への風当たりが強い。

私立英名学園

学園島アカデミー四番区に位置する学校。諸島部から大学部まで約二万人、高校生だけでも約9000人在籍している。ここ数年の学校ランキングは常に5位以内の名門校である。

決闘一覧

  • ターン制睨めっこ・強化版(篠原緋呂斗 vs 彩園寺更紗)
  • 50/50(篠原緋呂斗 vs 柴田響)
  • 疾風怒濤(篠原緋呂斗 vs 浦坂波留)
  • 我流二十七式遊戯(篠原緋呂斗 vs 久我崎晴嵐)

ストーリーPickup

以下、ネタバレ注意です。

真っ赤な嘘

タイトル『ライアーライアー』の名の通り、主要人物は大体嘘を吐いています。嘘で隠すのにうってつけの能力を、彩園寺から回収した赤い星は持っていました。

赤い星は「データ的に嘘を成立させる」力を有しています。後の所有者全てに秘密が明かされる代償があるため、絶対の自信がなければ大きな嘘はつきづらいものとなっています。

篠原は学園島に留まるため1つ星を7つ星へ改ざんしました。

必勝の手段

じゃんけんを勝ちやすくする方法はあるでしょうか。相手の表情を伺う、傾向を見極るといくつか思いつくかもしれません。

では、じゃんけんに絶対に勝つ方法はあるでしょうか。普通は否です。しかし《アビリティ》という名のチートが使える決闘においては存在しえます。

「どうって、決まってるじゃないですか。才能も権限もまるでないご主人様を、それでも絶対に勝利へと導く確かな方法。そんなものはこの世に一つしかありません」

(中略)

「――イカサマ・・・・、ですよ」


p87 悪戯っぽい仕草で篠原へ答える姫路

盗聴から相手のスマホのハッキング、果ては交通網の制御まで。彼女たちはあからさまなくらいサポートしてくれました。そこにイカサマをアビリティだと思わせる、篠原のハッタリが加わります。

イカサマとハッタリ、嘘を重ね合わせることで強者に対抗していくのでした。

”朱羽莉奈”

かつて朱羽莉奈という少女がいました。類まれなる才能故に学園島へ招待され、初等部入学の時点で高等部を卒業できるくらいの学力を有していました。零番区主催の能力開発プログラムでも記録的成績を残しました。その後彩園寺家に目を付けられ、彩園寺更紗の”友達”として過ごしていました。

高校入学時の一悶着を経て、朱羽莉奈は彩園寺更紗として桜花学園に通うことになります。箱入りであった彼女に代わり完璧な姿勢を見せ、周囲を騙し切っていました。

等身大の彼

彩園寺更紗の事情を知っている人間はそう多くありません。同年代は自爆して知らせてしまった篠原緋呂斗と、会ったことがある姫路白雪の2人しか知りません。

「ふ……ふふ、聞いたわ篠原。あなた、今日も《決闘ゲーム》をするそうね? (近い……近いわよ、もうちょっと離れて)」

「ああ、そうだけど。だから何だよ 去年の連勝記録が抜かれそうで急に不安になったのか? (い、いや……無理だって。お前に腕掴まれてんだぞこっちは)」

「いえ、別に? 私、記録なんてどうでもいいもの。でも、あなたが無様に負けるシーンならとてもとても興味があるわ――だから今日の《決闘ゲーム》は私も見に行ってあげる。光栄に思いなさい? (ぅう……もう、分かったわよ。へ、変なとこ触ったら怒るから!)」


p155より引用 額と額が触れそうな距離で会話している2人

果たして2人は何をしているのでしょうか。外見としては7つ星(元)と現7つ星(偽)の煽り合い、心の内はただのイチャイチャ。裏表の差はテーマの1つというだけあり、過去を明かす前と物凄く様変わりしています。

まとめ:嘘&嘘

久追遥希著「ライアー・ライアー」は望みを叶えるために嘘を押し通そうとする高校生の物語です。ライトノベルの中でも、「如何にゲームを攻略するか」というところに特化していると考えています。

また物語としては「誰のために嘘を吐くのか」「誰にだけ真相を明かすのか」といったことが主眼だったと感じられました。

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