【ブラック・ブレット 二次創作】”僕”は復讐の為に鬼となる

今回は縁側の蓮狐作「ブラック・ブレットif ー深淵に堕ちた希望ー」の紹介になります。もし義理の父ではなく狂人に育てられたら、というIFの復讐記です。同じ機械化兵士という因縁がなくなっても、あの最後の1シーンへと繋げる、でも投げるところは投げる、というほどほどの伏線回収が魅力の短編小説です。

小説データ

URL:https://syosetu.org/novel/96011/

作者:縁側の蓮狐
警告タグ:R-15、残酷な描写
話数:6話、33,251文字
UA: 4,743(2018/2/23時点)

原作:ブラック・ブレット

未知の寄生生物『ガストレア』と人類は10年前に出会った。壮絶な殺し合いの末、人類の9割は死に、多くの土地を失った。そんな世紀末を生き抜く、一人の民警と呪われた子供の物語。

人への寄生生物『ガストレア』への嫌悪や戦争の恐怖から、ガストレアの因子を持つ「呪われた子供たち」は差別され、時には除染される。そんな区別がまかり通っています。また準主要人物の途中退場も珍しくありませんでした。

2014年春にアニメ化されていますが、原作7巻が2014年4月に出て以来約4年間音沙汰がありません。7巻は前編と示唆されているので打ち切りではないはずですが……次巻の発売を待っています。

蛭子影胤との出会い

『蛭子影胤』は、里美蓮太郎と同じ機械化兵士です。赤の燕尾服とシルクハット、笑顔が張り付いた仮面と異常な外見ですが、その裏に隠されている存在意義への執着の元は明かされていません。

本作での出会いは原作の10年前、蓮太郎がガストレアに襲われている所でした。折れたパイプを持って特攻する蓮太郎の前で、影胤はガストレアを銃殺しました。

「少年、君に二つの選択肢を突きつけよう。私と共に闘争の世界を生み出すか、私に殺されるかだ」
「いいよ、僕、おじさんについて行く」
迷うことなく、僕は破壊の道を選び、ピエロの手をとる。

そして十年後、蓮太郎は影胤の心情を取り込み、影胤と協力して東京を滅ぼすことになります。特訓の末、数日間の付き合いだった天童家の戦闘術を外道の技へ昇華させて

天童木更の名を借りて

東京を滅ぼす計画を立てたクライアントは、東京エリア党首の補佐官『天童菊之丞』でした。原作では蓮太郎の義父となっており、天童流戦闘術の師範です。差別されている「呪われた子供たち」の権利を広げる法律『ガストレア新法』への明確な敵意が犯行理由でした。

そんな中、影胤は蓮太郎に『天童木更』の死を伝えます。天童家にいたのは僅か1週間であっても、思い出を、些細な恋心を覚えていました。激情する蓮太郎に、影胤が犯人を告げます。

『天童菊之丞』と。

どんな手段を使っても殺す、その思いを込めて愛刀(未使用)に木更の名前を取り入れます。

シロツメクサの花言葉

復讐するためならば、自分が死んでも東京が滅んでもいい。地の文からも、その破滅的な動機が読み取れる本作。その裏にシロツメクサの花冠を作り合う、木更との思い出がありました。

シロツメクサの花言葉は「幸福」「約束」「私を思って」「復讐」。木更と遊んでいた一週間の幸福、その中で一緒にいようと約束をしました。しかしガストレア戦争が二人を引き離します。その結果木更は命を落とし、蓮太郎は殺人鬼とともに育ちまた。そして、約束が破られたのちに生まれる復讐心が蓮太郎を駆り立ててく。

このように、シロツメクサの花言葉はこの物語を象徴しています。コミック版3巻に載っているだけの花畑から、IFのストーリーをここまで回収してくるとは思いませんでした。

兎との出会い

蛭子影胤との出会いによって、蓮太郎は強く賢しくなりました。しかしそれだけでは復讐し終わったのちに何が残るでしょうか。

兎のガストレア因子を持つ少女『藍原延珠』との出会いは、破滅の道へと堕ちた蓮太郎を救う道標でした。世界に絶望していても希望を追い求める、自分の写し鏡のような存在だと一目で確信します。

東京エリアが滅んだのち、蓮太郎は延珠と再会しました。パートナーになってほしいという「約束」を、延珠は快諾します。髪留めの付け方も分からないほど殺伐とした世界に生きてきた2人にとって、この時間は笑いあえる「幸福」な時間でした。

まとめ

ブラック・ブレットの二次創作のうち、完結している稀有な一作です。復讐に燃える蓮太郎の破滅的思考を、彼の一次視点から見ることができます。蓮太郎を女装させたり、延珠を道案内したりと、とにかく影胤が活躍する話でもありました。

民警から殺人犯に立場は変わっても、子供に甘い蓮太郎の側面は崩れていません。蓮太郎と延珠が結局原作通りの間柄になった点も評価点です。

原作を知っている方や、あまり長文は読めないけれど復讐劇が好きな方におすすめの作品でした。

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