六法全書で世直しを【デスノート 二次創作】

ネット上にはコラ画像(コラージュ画像)というものが流通しています。これはワンシーンを面白くするために意図的に改変したもので一発ネタです。これだけを見ると原作の印象を誤解するおそれがある程、自由気ままに行われています。

今回はコラージュ画像を中編にしてしまった二次創作小説として、ルシエド作「夜神月「デアスノテ。直訳で分からない」」を取り上げていきます。この方は短編、中編を40作以上完結させてきた猛者であり、今は「結城優奈は勇者である」の中長編を執筆しています。

「全部英語か……頭悪い奴は読めないだろうな。だが僕は違う」

夜神月は凡人とは違うその頭脳を駆使して、帰宅するなりノートの文章をエキサイト翻訳にかける。普段はひらがな入力にしているキーボードも、今日ばかりはアルファベット入力無双だ。


第一話冒頭部より

冒頭からツッコミどころ満載ですが、こんなようなものが2万字ほど続きます。文章力よりもネタに振り切った作品ですので、深く考えてはいけないのかもしれません。

作品情報

小説データ

作者:ルシエド
警告タグ:
話数:5話 19,194文字
UA: 123,305

URL: https://syosetu.org/novel/79137/

原作:DEATH NOTE

全国模試1位の天才夜神月は世界に退屈していた。そんなある日、顔を知り名前を書くだけで人を殺せるノート、「DEATH NOTE」を拾ったことをきっかけに犯罪者を抹消することを決意する。しかし、世界一の探偵ことLとその後継者が犯人を捜索する。理想世界の創造を望む月と殺害を止めようとする探偵らの頭脳戦を描いていく。

週刊少年ジャンプで2003年から2006年まで連載された作品です。単行本は12巻+1巻とそこまで多くはありません。が、ストーリーが評価され映画やテレビドラマなど多くのメディアで作成されています。

作品概要・紹介

シンセカイ・ゴッド

『全国模試一位の実力者、夜神月は困っていた。「DEATH NOTE」の意味が分からなかったのだ。とりあえず拾ってきたが、いらないので躊躇いなくゴミ箱に捨てた』この時点で原作と全く異なった展開になると予想できるでしょう。

この月も世直しを決意していることは変わりません。また犯罪者を殺すことに躊躇もありません。ではなぜ「DEATH NOTE」が必要ないのか。それが次項に繋がります。

武器は六法全書

神様は明晰な頭脳の代わりにとんでもないものを与えてしまったようです。

原作で第二の被害者となり、月にキラとして歩ませることを決意させる「渋井丸卓男」。ちょい役のわりに個別記事が出てくる彼ですが、今作でも被害を受けます。ただしここにもネタが潜んでいます

  • 原作:本名から適当に漢字を推測し、デスノートに書き連ねたら偶然ヒットしていた。未来の大量殺人犯に一発で当てられるという、運が悪かったとしかいえない最期
  • 本作:名前が分からないので六法全書(4kg程度)を脳天に見舞う

この後も刑務所内の人物に六法全書を振り下ろし、L(偽物)も1分以内に六法全書で抹殺していきます。その上監視カメラにも映らず、凶器も見つかってないそうです。要するにここの月は、圧倒的な行動力と常軌を逸した移動能力を持っていたという。

 だがその笑みはすぐにかき消え、月は本当に無様だったのが自分であったと気付く。

『ネットの速報性が蔓延しているこのご時世だ。時間差放送なんてやってられん。
お前の犯行の手口から考え、全国各地の放映局を使い同時に別々のLがお前を煽っていた。
その内の一人、関東担当の放送局の人間が消された。つまりお前は、関東に居る』


第一話後半より

一方警察側もそこまで馬鹿ではなく……2004年当時との違いとして挙げられるネットを踏まえた手段にでます。まっとうな手段なのですが、『別々のLがお前を煽っていた』の一文を平常心で言うLを思い浮かべると笑いが込み上げて。

Lの煽りに激昂した月はテレビを六法全書で破壊しました。内部ケーブルを断線させる程度に勢いよく殴ったようですが、これを受けた人が頭蓋骨陥没で済むのか疑問です。

真のキラは目で殺す

第二のキラ、弥海砂が夜神月の自室を特定し、突撃してきます。どうやら彼女は『死神の目』となるアイテムを寿命の半分と引き換えにしていたらしい。

死神の目の効果は……ビームが出る、というもの。人体の目からビームを出す仲間として『真の英雄は眼で殺す』と言うキャラクター(2013年発売)がいましたが、一般人の目から発せられる日がこようとは。

それもこのビーム、一般的なレーザーとは少々勝手が異なるようです。レーザーは電磁波(光)を集積、増幅しているだけなので光速で移動します。劇中では銀行強盗の立てこもり犯に向けて数秒かけて届きました。ここからレーザーよりも遅いことがはっきりと分かります。他にも、長距離離れた犯人の頭を抉るエネルギー量を放射したわりに、被害が月宅のガラスのみという点もレーザーでは考えられません。

刑法第39条

なんやかんやあってL(とレム)を六法全書のシミにした月。ワタリは残像で応戦しましたが、脳天への一撃で沈みました。

しかしLには己を犠牲にした秘策が残っていました。『私が死んだら夜神月がキラです』という遺言を記していたのです。その結果逮捕状が発行され、裁判所に立つことになります。

一方月にも秘策がありました。裁判長を懐柔したのち『刑法第39条』を武器にして戦います。六法全書で撲殺していた時から彼の近くに法がありました。それを活かし、嘘を吐くことなく有利に動かします。

その結果、月はついに第一審で無罪を勝ち取りました。

刑法第39条
1.心神喪失者の行為は、罰しない。
2.心身耗弱者の行為は、その刑を減軽する。
要するに、責任能力がない場合に犯罪が成立しないことを明らかにした法。

まとめ

いかにDEATH NOTEがネタにされていたかが分かる作品でした。ビームの火力とか六法全書の挙動や痕の残り方など、真面目に考えれば疑問が大量に残る一作です。今回は省きましたが、一応原作の最初から最後までを網羅していました。新しい視点から見たい、文章の豊かさを見たい方々よりも、とにかく笑える作品が見たい方向けの作品です。

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