もしも彼女から告白されたら【バカテス 二次創作】

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もし○○ができたら……。もし○○だったならば……。『もし』という言葉には後悔や期待といった様々な感情が入り混じっています。

今回は『もし違う人が倒れたら』という視点からできた作品、鳳小鳥さんの「バカとテストと召喚獣IF 優子ちゃんin Fクラス物語」の紹介記事です。原作では病弱なヒロインこと姫路瑞希が倒れるところを、木下秀吉の姉である木下優子が倒れます。Aクラスに行った姫路瑞希は思い人に好意を伝えられるか、Fクラスにいった木下優子はどう馴染んでいくかが焦点です。

目次

作品情報

データ一覧

作者:鳳小鳥
警告タグ:R-15 ボーイズラブ ガールズラブ
話数:37話 284,992文字
UA: 230,665

URL: https://syosetu.org/novel/1619/

原作:バカとテストと召喚獣

文月学園では科学とオカルトと偶然によって、テストの点数を強さと知ったアバター(2等身くらい)を召喚する『試験召喚システム』を開発、教室の権利を巡る戦いである『試験召喚戦争』などに使用していた。また年1回『振り分け試験』では最大点数がないテストを全教科行い、点数順にA~Fクラスに分けている。Aクラスにはリクライニングシートやパソコンが支給されている一方、Fクラスは卓袱台とすかすかの座布団。

このような格差をわざと作ることで点数向上を目指そうとしていた。しかし、2ーFは学力差に囚われず戦略を以て上位クラスに『試験召喚戦争』を仕掛けていく。

……と書けば重たいシナリオに思われるかもしれないが、殆どの部分はコメディである。リア充を許さない異端審問会(主人公も所属)、殺人料理人、関節技や拷問をきめてくる友人など、主人公周辺が人並み外れて頑丈なことを活かしたネタが数多く書かれていく。

作品概要・紹介

もしも木下優子が倒れたら

原作で木下優子はAクラスで、大抵学年主席の近くにいます。実力も相当高く、示唆される限り学年1桁の秀才集団に属しています。弱点は「音痴」、趣味が「BL同人誌」と内外の性格が大きく違う点が魅力かと。

振り分け試験の前日、彼女は日付が変わる直前まで復習をしています。しかしそれが仇となり本番当日に体調を崩してしまいました。それでも彼女は学校に行きますが、試験途中で倒れてしまいます。試験監督に途中退席は0点とすると通告されますが、偶然居合わせた吉井明久が抗議します。が、ルールは変えられず2人揃って途中退席に。

当然の結果でFクラスになる二人、木下優子は相当落ち込んでおり一時期部屋に閉じこもっていたようです。

ラブレター

5話にて、3人の女子生徒が木下優子の靴箱にラブレター(1)を入れました。翌日、今度は姫路瑞希が誰かにラブレター(2)を送り、坂本雄二が誰かからのラブレター(3)を握りつぶします。

  • ラブレター(1):とある女子生徒(玉野美紀)が木下優子に相談したいので送った手紙。内容は「吉井明久と坂本雄二が恋人として付き合っているか」というもの。2人の趣味は似ているのだが、木下優子曰く『だけど彼女とアタシのそれは根本的に違うのよ。そう、次元とか』(19話)
  • ラブレター(2):姫路瑞希から吉井明久へのラブレター。Bクラスの代表に悪用され、脅迫材料として使用される。
  • ラブレター(3):○○○○から坂本雄二への一方的なラブレター? 坂本雄二が握りつぶすレベルに醜怪で惨憺たる危険物。

いずれも物語を進める上で重要な手紙で、3つともきちんと伏線を回収しています。

変わりゆく試験召喚戦争

吉井明久の目的が「姫路瑞希の体調のためにより綺麗な教室に移ること」から「木下優子にもう一度振り分け試験を受けさせること」に変化しています。またFクラスの使用できる駒が変わっており、試験召喚戦争の内容も少し変化しました。

それが特に現れたのが対Cクラスです。原作では木下秀吉が木下優子(Aクラス)に変装しCクラスを罵る(=木下秀吉を犠牲にする)方法で対処しました。しかし今回は木下優子もFクラスなのでこの手は使えません。なので、Cクラスに代表自らが交渉を仕掛けることに。条件は「根本恭二(Bクラス代表兼Cクラス代表の恋人)を裏切る」こと、報酬はBクラスの設備。

姫路瑞希からの告白

告白までに原作10巻以上使っている姫路瑞希ですが、霧島翔子の協力もありAクラス戦の前に告白します。学園長とFクラスが交渉した日の放課後、姫路瑞希は吉井明久を屋上に直接呼び出しました。

「でも。嫌なこともいっぱいありましたけど、私は過去の私のことが好きです」
「姫路さん……?」
「だって。小さい頃からずっと抱き続けていたこの気持ちを大きくなった今でも忘れないでいられたんですから。それは昔の私が間違えていなかった証だから」

胸に手を当て、すぅ、と姫路さんは息を吸った。

「私は、吉井君のことが好きです。小学生の頃からずっと、好きでした」


25話「姫路瑞希の人生で一番の……」より

吉井明久にとって憧れで初恋の相手から、盛大に喜ぶはずの告白。しかし彼はその告白を素直に受け取ることができなかった。

首まで赤くして子犬のように小さく頷く優子さん。
僕としては待ち望んだ餌を前に待ったを掛けられたようで焦らされるが本人がそういう以上この場で深追いはできない。
でも……そうか。もし僕がずっと勘違いしていたのなら、まだチャンスがあるってことだよね。
そう思うと不思議なことに僕は両肩に乗せられた重い荷物を下ろされたかのように開放的な気分に身を包まれた。
世の中すべてが楽しくて愛おしく感じる。今この瞬間を生きているのがこれほど嬉しいと思ったことはないほどに。
……あぁ。もう認めるしかない。というか迷う余地も選択の余地もなく分かっていた。
僕って、この人のことが好きなんだって。


23話「問23 開戦/Bクラス」より

吉井明久が自覚してから姫路瑞希に告白されるまで、わずか1日。だからこそ断らなければならない。しかし木下優子が了承してくれるとは限らない。恐れから姫路瑞希への返答を先送りにしてしまいました。

まとめ

原作に沿った中高生向けの文体と、伏線が練られているストーリーが魅力的な二次創作になります。鈍感ながら自分の好意に気付いていく明久は、原作ではあまり見られない側面でありながら崩壊もなく描かれていました。

吉井明久の決断。残されたAクラス戦。坂本雄二へラブレター? を送った元凶。ここでは語っていない物語の続きは、ご自身で確かめていただければと思います。

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