【サイレント・ウィッチ 1話】モニカの始めの一歩は強迫から

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  • 総合評価:★★★★★
  • 第1話の役割:キャラクター性を示す導入回。主人公が外の世界に無理矢理連れ出されるまでのエピソード。
  • 主人公モニカの特色:歴代最年少で王国トップの魔法使いである七賢人に上り詰めた平民であり、世界で唯一魔法を詠唱しない人間。しかし、とある事情から人と接することを極端に恐れている。
  • 一言評価:Aパートの同期2人のやり取りで現状の人間関係設定が伝わりやすい設計である。また原作ファン向けのネタも各所に仕込まれていた。Bパートで心配していた無詠唱魔術の拾うシーンも、派手かつ繊細な描写に築き上げられていた。

サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと 第1話同期が来たりて無茶を言う の感想記事です。

目次

良かった点

原作を知っているかで分かれるルイス→モニカの信頼

16歳のモニカが人を信じられるまでの物語の最初の一歩は、七賢人同期であり母校の先輩である男性ルイスからの強迫でした。

「良いですか、貴女は我がリディル王国の頂点に立つ魔術師、七賢人なのですよ? 貴女にしかできない仕事があると思いませんか? 思うでしょう? 思いますよね? 思いなさい? ……思え?」

 最後はまさかの命令形である。

 ガタガタと震えるモニカに、ルイスは笑顔でダメ押しをした。

「第二王子護衛に関する人選を、陛下は私に一任されています。つまり……貴女に拒否権は無いのですよ、同期殿?」

第1章「入学準備編」【1-2】モニカの幸せスローライフ終了のお知らせ

信頼はされている。将来を期待されている。この任務はモニカの魔法だけでなく、人を数字に見て必要であれば切り捨てられるモニカの特色を最大限活かしている。

原作を読んでいる読者には伝わる描写なのです。ただ、アニメのルイスの演技とモニカのリアクションから疑わしい逸品に仕上がっていました。

もにもに ルイスさん恐れすぎ問題

アニメでも、モニカは十分にルイスを恐れていることを相棒のネロに語っている。しかし、他にも原作が進んでいくごとに、どうしてそこまでルイスの過去を知っているのか、七賢人になってからの2年間で引きこもりモニカがルイスに何をされたのかが追加で示されていく。

例:彼は魔法使いでありながら魔法よりも物理の方が強い

主人公たちの初期人間関係が確立している

ニコニコ動画
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モニカは外との交流をなるべく持たず、意固地なほど独りでいることにこだわっています。こういうとき物語として動かすには、強引にでも外に引きずり出すだけの力が必要です。その点、ルイスは物理的にも力が強く相手に拒否させない勢いで話してくれます。荒療治なのですが、きっかけを生み出すことに成功しました。

ルイスが功績をわざとらしく話していた点、モニカのリアクションが面白い点から見逃されがちですが、この時点で既にルイスの苦労人気質は出てます。クール通して彼がやってくるときは大体誰かからの要求であり、ルイス自身が何かをしたいという欲望は一切出てきません。

ついでにこのとき第二王子の怪しさも示されています。モニカ視点はしばらく怪しさは薄いのですが、彼には何かがあり魔法についても知っている。Bパートの影を含めて彼には何かがあると感じさせる、原作ファン向けのワンシーンも添えられています。

Bパートで登場したイザベルについても、モニカが引くほど推すキャラクターです。個人的にも命を救われ、民の被害も最小限にすることをたった2つの魔法で成し遂げた。ノートン一家全員がモニカファンであり、モニカの苦手な演技や人間関係の側面をサポートしてくれます。イザベルは学園内で非常に優秀な成績を納めており恐れられているのですが、モニカ視点だからこそのハイテンション連打でした。

総じて1話でモニカ視点の、モニカに対する人物像は大方掴める内容になっていると考えています。

気になった点:第二王子の顔を意図的に伏せた表現

ルイスの台詞中、および精霊王召喚のシーンにて一瞬映った第二王子は、この話の中では一度も顔を映されません。肩や後ろ姿は映されるものの、最後まで顔だけは映されなかった。原作やコミカライズでは彼の表情も描写されており、意図的な演出であった。

ブローチを壊した際の面談についても注目箇所がある。モニカがあれだけ恐れる七賢人のルイスに対し、魔法の知識がないはずの立場でブローチに刻まれた監視魔術に気付き、防壁を貼っていたブローチごと粉砕したのである。そのうえで、ブローチの魔法陣の作成者であるルイスへ悪びれもせず嘘を吐き通した。

この対比を踏まえると、1話ラストで隠されたのは正体そのものというより、
食えなさとは真逆の一面――初めて自分だけの興味のあるものを見つけたシーン――王たる中での俗人的な感情だったのではないかと感じた。
実際、このシーンは後の話数で顔ありのカットとして再度描かれており、
同じ場面を情報量を変えて2回見せるという、かなり周到な引っ張り方をしている。

その他:この話で一番気になった表情

【Bパート ノートン令嬢に合う前に家から移動させられている】

風の魔法によって空輸中のもにもにの1枚。モニカの表情差分で白目になることは比較的多いのだが、上睫毛を強調したタイプの白目になることは体感稀である。

直前が序盤( 原作1巻相当の4話まで)のモニカの心を何度か支えてくれるサムおじさんの豚(フィボナッチ数列の童謡、毎年売られる豚の数が増えていく)のシーンだったためそこののほほんとした数学の世界の夢と現実のギャップが大きい。姿勢についても鞄からはみ出ないように背を窄めており、手持ち鞄の狭い領域を外れているのはぼさぼさの髪の毛だけである。断れなかった移動という言葉が似合う。

後の話にこの乗り方と対比となる箒の乗り方を披露しており、姿勢がモニカの精神状態を表しているワンシーンだと考える。

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