【SAO_二次創作紹介】たとえ姿が違ったとしても貴方を

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鏡秋冬作「ヘルマプロディートスの恋」の紹介記事です。仮想世界で異なる性別として生活することになってしまった、2人の恋愛模様を描いたラブコメです。アスナの容姿に憧れる少年とキリトに救われる少女。どうして茅場は元の姿に固定化したのか、別世界で複雑化していく人間模様を通して実感させられました。

2人は元の姿に戻れたのか。どうやって仲を繋ぎ直したのか。仮想世界のTSFに興味のある方、甘酸っぱい恋愛が好きな人へオススメです。

目次

小説情報

小説データ

URL:https://syosetu.org/novel/2800/
作者:鏡秋雪
警告タグ:R-15, オリ主, 性転換
話数(2022/10/25):32話 387,418文字
UA(2022/10/25):161,274

主要登場人物

コートニー

背中まで伸びた黒髪とやや大きめの茶色の瞳をした僕っ娘。投擲武器と槍を得物にしている。βテスト時代からの仲であるジークリードからは『コー』と呼ばれている。

アバターは15歳の男子中学生が日本人風の顔を自作したもの。自分の可愛いアバターを見るのが好きなため女性を選んだ。β時代は活発な小学生のような姿だった。

原作キャラクターの中ではアスナとの親交が深い。特に血盟騎士団に所属してからは絶大な信頼を寄せており、髪の色をお揃いにしたこともあった。本作中ではヒースクリフから知らされ、彼女へ『倫理コード解除設定』を教えた犯人。

転売された恨みから、攻略組内で彼女はエギル嫌いとして知られている。

ジークリード

身長170cmくらい、短い黒髪の青年。一般的なタンク職で、重装備の盾と片手剣を扱う。コートニーからは『ジーク』と呼ばれている。

アバターは、16歳の女子高生が色々と声をかけられることを嫌って作ったもの。βテスト時はムキムキマッチョだった。

原作キャラクターとの交友はクラインやギルド内が中心で、”むし”風呂に同行するほどの深い仲。本作中では最もPoHをアインクラッド内で追い詰めた人。

原作:ソードアート・オンライン

VR技術の進歩によって「フルダイブ技術」が確立された、近未来の日本をモデルにした小説です。主人公の桐ヶ谷和人が時には自発的に、時には強制的にVRゲームの世界に入り、相方とともに物語の解決を目指していきます。

『真の異世界を作りたい』一人の天才によって築かれた鉄の城は、約10,000人を仮想世界へ閉じ込め、クリアまでの2年を閉じ込め続けた。アバターではなく現実の容姿にし、生きていることを明確にするため死を連動させる。

研究用、医学用、軍事用……彼の業績と行方はフルダイブ技術の方向性の広さを見せてくれました。

ストーリーpickup

以下、ネタバレ注意です。

鏡に映す己の容姿

現実として異世界を作りたい、異なる体で長期間過ごした際のデメリットが分かっていない。天才茅場晶彦はSAOを公開するにあたって、必ず元の体に戻せるように設計していました。原作でトリガーになっていた手鏡の配布は、元の姿に戻っていることを見せるためのものです。

本作における手鏡は、元に戻すための特注品として設計されています。警告を無視して破壊した場合アバターの姿で過ごせるようになってしまいました。オリジナル主人公の2人のように異性のアバターでログインしていたならば、ヘルマプロディートスのタイトル通り両性具有となります。

外見と精神の性別が違うことは告白しなければ分かりません。LGBTが今ほど議論されていなかった2010年代前半の小説において、十分な配慮を為すことは困難でした。ましてや『現実と同じ姿にした』とゲームマスターに明言されている以上、わざわざ聞くこともありません。

故に外見の性別によって扱われ、本人の意向に関係なく交友関係も変化していきました。

元の性別から離れ

コートニーとジークリードは騒動によって性別が固定されたとき、むしろ戻らなかったことに安堵しました。相方を守るためにすぐさま行動をしている一方、自分の罪をどう告白するか悩み続けることになります。

コートニーはジークリードに寄り添うため、ジークリードはコートニーを守るため。2人は外見の姿で暮らすと決意しました。ジークリードの誕生日、仲違いのきっかけとなった誕生日プレゼント(片手剣)を手に少女は思いを伝えます。

むくむくといたずら心が湧いてきた。今、秘密を言っちゃおう。
「僕ねー! 本当は男なんだ! ごめんね! でも、ジークが大好きだよ!」
僕の大声の告白は鐘の音に消し去られた。


第12話 最初にかけたボタン【コートニー5-2】

吹っ切れるかのような少女(少年)の発言、秘密と言われ抱え続ける青年(少女)の視点。1人称ならではの対照的なズレが印象的な場面です。

コートニーの誕生日、彼は瞬間移動というゲームだからできるサプライズと銀色の指輪を持って、彼女に結婚の告白をしました。このとき意趣返しをされています。

初夜を過ごしていたり、新居を構えたり、2人で逃避行したり。彼氏彼女から新婚夫婦として一通り過ごした関係は、突然のクリアによって終わりを告げました。

不可解な連立方程式

最期に初めて伝える機会を得た自分の本名。それも打ち切られ、相手の性別を知る機会は終ぞ訪れませんでした。

しかし物語は終わりません。事件当時15歳のコートニー、16歳のジークリードは学生として全く違う姿で再会を果たしました。

外見が嘘だったと伝えたとき、好きな気持ちをどうやって伝えるか。かつての親友たちは正体に納得してくれるのか。26話以降は現実世界での末路が描かれています。

まとめ:鉄の城でできなかった告白

鏡秋冬作「ヘルマプロディートスの恋」の紹介記事でした。複雑な人間関係を清算するため、かつてキリトたちの家で告白します。かつての過ごし方と変わらない性格から受け入れられたのが救いでした。

2人は元の姿に戻れたのか。どうやって仲を繋ぎ直したのか。仮想世界のTSFに興味のある方、甘酸っぱい恋愛が好きな人へオススメです。

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