【マギレコ二次創作_紹介】マギアレコードRTA ワルプルギス撃破ルート南凪チャート

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みみずくやしき作『マギアレコードRTA ワルプルギス撃破ルート南凪チャート』は無表情で不器用な少女が周囲に手を差し出されるまでを描いた物語です。主人公帆秋くれはは、対象を停める力を持った魔法少女です。RTA走者の知識と彼女本来の性質が融合して、好きなものを無償で送りつけて友好度を稼ごうとしていました。『南凪の不審者』と名付けられた少女は、今日も変わらず過ごし続けようとします停まった少女が周囲の力を借りて振り切る姿が魅力的でした。

RTA部分で言うと原作による爆弾のリカバリーが素晴らしい作品です。3年半(141話)と長期に連載していたがゆえに、ソーシャルゲームのストーリーも進んでいきました。そこで明かされるラスボスとの友好問題。最後は原作よりも大層派手なことになっていましたが、無事に着地することができました。

この日に投稿しようと思ったどうでもいい理由
  • 帆秋くれはの見た目が緑と赤でクリスマスを想起させたから
  • 無差別にプレゼントを配る様子がサンタクロースを連想させたから
  • 家族とすれ違った、役割を与えられ続けた主人公への風刺として
目次

小説情報

基本情報

  • 作者:みみずくやしき
  • URL:https://syosetu.org/novel/213241/
  • 原作:魔法少女まどか☆マギカ
  • 話数:141話、1,499,982文字
  • 警告タグ:R-15 ガールズラブ オリ主 残酷な描写

あらすじ

レギュレーション:難易度はハード。スタート時期は1年前。
ニューゲーム選択と共にタイマースタート。ワルプルギスの夜撃破後、第一部ED終了時にタイマーストップ。

マギアレコードRTA ワルプルギス撃破ルート南凪チャート―ハーメルン

主要登場人物

帆秋ほあきくれは

南凪自由学園の2年生の17歳(原作一部)、願いは『大人になりたくない』。神浜市南凪区にある豪邸(後にくれはハウスと呼ばれる)に独りで暮らしている。

元から奇行が目立っていたが、走者の強制力と融合し『南凪の不審者』扱いとなった。メロン、メロンソーダ、メロンパンが大好きで大量に買い込んでいる。学力と調理能力は絶望的。

観鳥みどりりょう

南凪自由学園中等部の3年生の15歳(原作一部)、くれはにとって親友で大切な後輩。他の人へ名前呼びする中、彼女にだけ『観鳥』呼びにこだわる。

願いは『シャッターチャンスを逃さないように』、いじめをしていない潔白の証拠をつかめなかったことに由来している。

嵐のような振る舞いをしたくれはに憧れ、今度は助けたいと少女は隣にいることを望む。

更紗帆奈

水名女学園中等部3年生⇒南凪自由学園1年生の15歳(原作一部)、くれはにとっては忘れさせられてしまった親友の1人。帆奈はくれはを覚えていて、くれはに解決させるよう『混沌異変』の内容が変化している。

願いは『いじめっ子達の抹消』、固有魔法は『上書き』。親友3人組最後の1人瀬奈の魔法を使用して、魔女を飼育、混沌として暗躍していた。自分の命ソウルジェムを割ろうとするが、友情パワーで捕獲される。

一人で突っ走るくれはを失わないために、少女は隣に立つことを選んだ。

「……口約束であたしを信じるの?」

 あいつは――常盤ななかは、裏になにも含んでいない微笑みを見せて言ったんだ。

「もう、私の魔法は反応してないんですよ」

パート33 無重力シャボンのうわさより 原作を知っていると印象的なシーン

春名このみ

神浜市立大付属学校2年の17歳(原作一部)。くれはにとってはバイト先ブロッサムの同僚であり、親友の1人。走者曰く稼ぎ過ぎた影響で想像以上に好感度が上がってしまった。くれはとの関係性から『混沌』時代の帆奈に狙われる。

願いは『フラワーショップ「ブロッサム」の店長の病気を治してほしい』、固有魔法は『花を添える(攻撃強化)』。魔法少女として力不足なことは自覚しており、前線にはめったに出ない。

無茶ぶりをするくれはの拠り所として、少女は後ろから支えると決めた。

瀬奈みこと

原作開始時には既に魔女化≒死亡している元魔法少女。くれはにとっては忘れさせられてしまった親友の1人。『瀬奈と帆秋で帆奈』という発言があるように、名前の共通点から親交を深めていった。

無謀で自己犠牲的なくれはを止めるため、少女は2人きりの空間を作り隔離しようとした。

魔女となった彼女はくれはの家の事情と過去を知っている。かつての自分と重ね共感をしていたのかもしれない。

ストーリーPickup

以下ネタバレ注意です。

RTAパート:ガバから始まる物語

 隠し効果なのかシステムの穴なのか名前が似ているキャラは序盤に遭遇する可能性が高くなります。多分乱数が固まってるんだと思うんですけど(名推理)。

 似れば似ているほど確率が上がりますが、似すぎていると発生しません。微妙な塩梅が重要です。例えば二部のミスドの鬼と『くれは』が丸かぶりですが試走中に遭遇したことはありません。

 パート1 はじめから 補足:ミスドの鬼=くれはゆな

RTA小説は最初の作者が自由に設定を作ることができます。これはゲームのRTAの1人目(通称:先駆者)が開始終了条件を定めるのと合わせています。作者はプレイヤー名と、ある程度似ている少女に遭遇しやすい設定になっていました。

プレイヤーが作成した『帆秋くれは』は、混沌異変と関わりのある「野かえで」から交流を結ぶつもりでした。しかし、選ばれたのは混沌異変の元凶である「更紗奈」です。幼い頃から3人で魔法少女のチームを組んでいたことになり、瀬奈みことが魔女になったとき記憶を消されたことになりました

そのため、プレイヤーが心の拠り所にしていた友好記録が機能していません。また他で消費しているため、秋野かえでに頼らないルートを取らざるをえませんでした。

この先にも何度も想定外の事態を起こし、その度になんとかリカバリーしています。事態の一部をリストにまとめました。そのうち圧倒的なものは後述して紹介します。

  • 発生させる予定のないコラボイベントの発生
  • 更紗帆奈の想定外の暗躍(特に『すずね☆マギカ』への乱入)
  • トラブルメイカー七瀬ゆきかとの友好関係
  • トラブルメイカーアリナ・グレイとの腐れ縁
  • 美国織莉子が予知したもの
  • 果てなしのミラーズ関係
  • 家族関連の解決とフォームチェンジ
  • 最終回生存

キャラクターパート:滞留から対流へ

今までの魔法少女は魂が穢れきると魔女になって死んでしまいます。マギウスが産み出したドッペルは連発さえしなければ魔法少女の穢れを取り除く手段になり得ました。死因の1つを克服した功績は間違いありません。またマギウスの翼と呼ばれる互助組織を形成し、独りで戦えない弱い魔法少女を救う術になりました。

一方でマギウスはウワサという謎の生命体をばらまいていました。彼らは物語に沿って魔法少女に精神的な危害を加えています。また、マギウスの翼は顔と固有魔法を隠しており、後ろめたいことをしていると推測されました。

帆秋くれははマギウスが正しいのか判断できていませんでした。くれはは奇人のようにみられ、歩みを止めませんが、メンタルが無敵ではありません。願いの内容も人に伝えられず、過度な自己犠牲に走っていました。

そんな少女を変えたきっかけは、マギウスが帆秋くれはを潰すために作った『無重力シャボンのウワサ』でした。

希望を吸い取り夢へと変える呪い。体の変化が願いで止まってしまって誰かを助けることに生を見出すくれはには、未来への希望がありません。すぐに潰されてしまい、後ろで支えてくれた親友このみのメンタルケアを受けることになります。

 そしてくれはさんは思っていたことを正直に告げたんだ。

 今まで周囲の人たちのことを考えずになりふり構わない手段を使ったことを反省した。でも助けることはやめたくない。身勝手だけれど、だからもう一度力を貸してほしいと。 

「……そうか。お前は誰かを頼ることはできるんだ。ただ、助ける範囲に自分を入れるだけでいい。それでみんな納得するさ」

「良い顔してるよ。……それはそれとしてこのみには聞かなきゃいけないこともあるけどね~。お風呂、どうした?」

 帆奈ちゃんの言葉になぜかくれはさんが動揺したり、それがおかしくて笑いあったりして。相変わらずの真顔なのがこんなにも嬉しく感じる日が来るなんて思わなかった。

 パート- 紅の初花染めの色深く

自分の思いを隠していたくれはが、現在の本音をぶちまける。功績も罪も受け入れる成長をみせた瞬間でした。

マギウスの正の側面を認めたうえで、負の側面から打ち砕くことに決めます。心情の変化に伴い、メンタルを示すドッペルも停滞に固執した滞留から流れ導く対流へ進化しました。

キャラクターパート:想像に抗って

マギウスはくれはにメタウワサを壊され、自分たちの邪魔すると決意されました。その後も、遊園地の計画も洗脳計画も阻止されてました。マギウスの里見灯花渾身の嫌がらせとして、くれはのため部下となった観鳥に秘策を施します。

遊園地の計画は『心を通い合わせる』魔法によって破壊されました。ならば説得することが逆効果のウワサを使う手が思いつきました。普通のウワサであれば力で突破されてしまうか、最適解の魔法少女を呼び寄せられます。ならば閉じ込められるウワサも必要です。

これらの思い付きから説得が逆効果になる『絶交階段のウワサ』と皆を閉じ込める『女王グマのウワサ』の組み合わせを観鳥へ融合しました。ウワサを剥がすのには心を通わせなければならないのに、時間経過で少女ごと崩壊する。今度こそ泣きっ面をかかせられると自信満々です。

しかし、くれはたちは助けることを諦めませんでした。

 言葉を交わして、想いを伝えて。

 今一度届かせるために。

「何度手を振り払われても構わない! 数千でも数万でも何回でもッ! あなたが拒もうと、私は手を伸ばすッ! だから聞け観鳥令! あなたは私の最初の後輩で、最初に手を取ったかけがえのない存在なんだ! それを拒絶するこんなウワサは――!」

 全員の魔力を注ぎ込んだカトラスが、振り上げられた。

「私が、打ち砕くッ!」

パート39 セカンド・コネクト

ウワサだけを止める。観鳥を助ける運命を確定させ、特別視してくれないという誤解を、くれはは観鳥へ説得しました。

ストーリーパート:原作がもたらしたリアル想定外

作者の想定外の中で最も大きかったのは、果てなしのミラーズ関連でしょう。ソーシャルゲームは日時の経過によってストーリーが更新されます。作者が設定を作った2020年に明かされていなかった真相が、1年以上先になって公開されました

原因となったイベント:サヨナラ・ストレージ

果てなしのミラーズにいる鏡の魔女は、瀬奈みことが絶望して魔女化したものである。交友関係に帆奈のついでに入れられた少女が、突如RTA後のストーリーに牙をむきました。幸いなことにRTA中は時間の無駄だと判断したおかげで救われています。

目覚めた彼女の想いの残滓は、くれはを自分のものにするために行動を始めます。部下を派遣してくれはを拉致、記憶を閉ざして2人きりの空間を創り出しました。周りの力によってくれはは救われ、みことの残滓は消えようとします。

しかし、目の前で消える記憶をただ見届けるほど、くれはは大人しくありませんでした。

まとめ:メロン少女が希望をつかむまで

 紅に燃える雲の切れ間に、星が光る。

 あの時、確かにここにいたことをくれはは覚えている。

 いつだって笑顔を見せてくれた思い出は眩く、かけがえのない時間だった。 

 だから、もう迷わない。

 魔女であれ偽者であれ、彼女がまた立ち塞がったとしても、帆秋くれはが乱されることはない。

 果てなしの希望が、その心に宿る限り。

さよならさえ言えなかった夕暮れ 後編 より紫苑の花をみことへ ※紫苑の花言葉=あなたを忘れない

みみずくやしき作『マギアレコードRTA ワルプルギス撃破ルート南凪チャート』は無表情で不器用な少女が周囲に手を差し出されるまでを描いた物語です。主人公帆秋くれはは、対象を停める力を持った魔法少女です。RTA走者の知識と彼女本来の性質が融合して、好きなものを無償で送りつけて友好度を稼ごうとしていました。『南凪の不審者』と名付けられた少女は、今日も変わらず過ごし続けようとします停まった少女が周囲の力を借りて振り切る姿が魅力的でした。

RTA部分で言うと原作による爆弾のリカバリーが素晴らしい作品です。3年半(141話)と長期に連載していたがゆえに、ソーシャルゲームのストーリーも進んでいきました。そこで明かされるラスボスとの友好問題。最後は原作よりも大層派手なことになっていましたが、無事に着地することができました。

今回は文字数の都合で前半部分の紹介に留めました。しかし、非常に面白い作品なのは間違いなく、原作を知っている人すべてに一度読んでみて欲しい二次創作だと考えています。

  • 作者:みみずくやしき
  • URL:https://syosetu.org/novel/213241/
  • 原作:魔法少女まどか☆マギカ
  • 話数:141話、1,499,982文字
  • 警告タグ:R-15 ガールズラブ オリ主 残酷な描写
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