【推しの清楚アイドルが実は隣のナメガキで俺の嫁_感想】推しと急接近した暴走系主人公

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むらさきゆきや・春日秋人共著『推しの清楚アイドルが実は隣のナメガキで俺の嫁』を紹介する記事です。本作は押しのアイドル活動を続けさせるため、許婚との婚約を破棄する推し活動=疑似恋愛をするラブコメです。

タイトルに属性がてんこ盛りの中、よく分からない単語『ナメガキ』が印象に残ります。清楚なアイドル姿のギャップが激しいだけで、ヒロインは主人公に素をさらけ出しています。素の性格を舐めていると評しているあたり、主人公がどちらの人格を愛しているか一目瞭然です。

主人公には挫折なく嫌な人を倒して欲しい、二面性のあるヒロインのからかい描写が好きな人へおすすめします。

目次

『推しの清楚アイドルが実は隣のナメガキで俺の嫁』小説情報

あらすじ

歌唱力バツグンの清楚アイドル蒼衣ツバサ――を知って影石竜也の退屈な日常は、推し活の毎日へと変わった。
ところが、クラスにいるナマイキでガキみたいな赤羽舞香が、なんと正体を隠したツバサ本人だった!? 
そのうえ舞香は訳あって、早く恋人を見つけなければ許嫁と結婚させられ、アイドル引退だという。
絶望する竜也だったが、彼女から「あんたが、あたしの恋人になりなよ~」と頼まれ。
恋人だと証明するためのラブラブ写真撮影、いっしょに登校、休日の遊園地デート! 
ライブでは秘密のウインクを飛ばされ! 
人をナメたようなガキだと思っていた舞香の意外な面に気付かされ……。
理由ありアイドルと最強ドルオタのニセ恋愛ストーリー、開幕!

(C)むらさきゆきや・春日秋人/講談社

主要登場人物

影石竜也

清楚系アイドル蒼衣ツバサを愛する限界オタク。何かと突っ込もうとする気質で、限定グッズに電車賃まで使ってしまった経験も。

できる限り推し活動に時間を割くため、時給の高い日雇い肉体労働を積極的に行っている。

赤羽舞香

清楚系アイドル蒼衣ツバサの正体。普段はウィッグと演技で隠していた。髪の毛はクオーター由来の地毛。

アイドルを続けるため、竜也に疑似恋愛を申し込む。

玖珂峰くがみね芯斗しんと

熊のような体形の長身イケメン。全てを勝ち負けで判断し、自分の考えを絶対だと信じている。

アイドルを人心掌握を学ぶ役職だと思っている。

『推しの清楚アイドルが実は隣のナメガキで俺の嫁』ストーリーPickup

以下、ネタバレ注意です。

主人公の暴走気質

本作で最も特徴的な人物は主人公竜也でしょう。異常なまでの行動力と、大事な押しのTシャツを汚してしまうくらいの無鉄砲さを併せ持ちます。

彼の行動の一端をまとめました。利口な人ならやらないであろう無謀な行いも含まれています。本作は一人称小説なのですが、彼は地の文にもためらいがみられません。

  • 川で溺れている猫を助けるため、欄干らんかんを蹴って川へ飛び込む
  • 生徒会長のトラブルを積極的に助ける
  • 子供を助けに不良の元に行った親友へ、モップ(居合術の武器)を届ける
  • 舞香を誘拐しようとする玖珂峰の黒服へ殴り込む
  • ラスボス玖珂峰芯斗への武器がペンライト二刀流

バカげた行いを平然とできるからこそ、竜也は舞香の隣についていけたのだと思います。

唯一舞香の正体に気付いて

舞香の演技力……というより二面性はギャップが大きく、マネージャーをして普通は気づかないと言わせています。

しかし竜也は変態めいた観察力によって正体に気付いています。これにはしきりにからかっている舞香も、純粋に引いていました。

  • ウィッグである=地毛は黒髪ではない
  • 鼻と耳の形が一致
  • ときおり同じ声を出している
  • ライブのタイミングでよく欠席する
  • 授業中にノートを取っているときの持ち方が、サイン会のときのペンの持ち方と重なった

知っていて推しへの思いは明らかである。正体に気付いていても周囲にバラさなかった。舞香は許婚の存在と、アイドルを辞める可能性を明かしました。

推しへの想い

――届かないとわかっていても行動するのが、推し活ってものだ。

『第六話 パーティーバトル』より

竜也は蒼衣ツバサを崇拝しています。たとえ舞香の状態であろうとも、一線を越えることはありません。

チェキの経験がないからと無意識にツーショットを避けてしまい、微妙な出来(挿絵あり)を撮るのに10分以上かかりました。舞香母の目を欺くためのデートのときにも、間接キスをしないように注意をしています。

それでも物語は暗い雰囲気になりませんでした。舞香が様々な手で竜也をおちょくる姿が鮮やかさを出していたからだと考えています。会話文に『w』を挟む砕けた口調に序盤は気になっていましたが、必要悪であったと思い知らされました。

まとめ:一区切りしても謎は深まる

むらさきゆきや・春日秋人共著『推しの清楚アイドルが実は隣のナメガキで俺の嫁』を紹介する記事です。本作は押しのアイドル活動を続けさせるため、許婚との婚約を破棄する推し活動=疑似恋愛をするラブコメです。

最後までファンの姿勢を崩さなかったのは美徳であり、中途半端とも感じました。突然自分以外が上流階級の出身であると知らされて、推しの活動を続けるために許婚の独善を無意識に打ち砕いています。しかし、冷静に考えると主人公が全く状況を分かっておらず、舞香の母親の問題は一切解決していません

主人公には挫折なく嫌な人を倒して欲しい、二面性のあるヒロインのからかい描写が好きな人へおすすめします。

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