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アニメ『ライアー・ライアー4話』の謎解きとキャラクター分析:秋月乃愛は7つ星を嘘と信じる
ライトノベル出身のアニメ『ライアー・ライアー』を、補足しつつ感想を書いていくシリーズの4回目です。
第3話ではゲームの伏線となる尺が削られていた、という不安要素が見られました。第4話では2巻の序章であり、今度こそ伏線を張って次以降へ繋げて欲しいと期待しています。
目次
『ライアー・ライアー』のあらすじ
学生同士がランクを決めるゲームを繰り広げる学園島。篠原緋呂斗は国内最難関の学園島編入試験で歴代トップの成績を叩き出し、昨年度の絶対王者・彩園寺更紗を転校初日で陥落させた。結果学園島史上最速で頂点に1人だけ君臨する7ツ星に成り上がった。
そんなものは全て嘘だ。大切な人に会うために外部からやってきただけの一般人で、本当の星はたった1つしかない。しかし、学園島に残るためには嘘でもトップにいなければならない。姫路白雪のイカサマも、偽物だった彩園寺更紗との共犯関係だって活用する。
じゃあ、世界を騙す嘘を始めよう。
キャラクター紹介
- 篠原緋呂斗:英明学園2年の7つ星(偽)。ポーカーフェイスと機転で学力を補っている。
- 彩園寺更紗:桜花学園2年の6つ星。影武者で本名は朱羽莉奈。至上最優秀の学力は本当のことで、1年間の無敗も実力だった。
- 姫路白雪:桜花学園⇒英明学園2年の4つ星。支援組織《カンパニー》のリーダーを務める。学校でもメイド姿は崩さない。
- 一ノ瀬棗:英明学園の学園長。篠原を7つ星と偽り姫路を派遣した。篠原を高く買っている。
- 秋月乃愛:英明学園3年の6つ星で学園内最強候補。見た目と性格から”小悪魔”という通称を持つ。
ライアー・ライアー4話「忠義と演技」の展開と7つの補足
アニメで描写されていなかった背景、疑問視される展開を補足していく項目です。
この項目内の挿絵は全て、©2023 久追遥希/KADOKAWA/ライアー・ライアー製作委員会のものを使用しています。また彩園寺更紗(朱羽莉奈)については、アニメ化する範囲で本物の彩園寺更紗は登場しないため、彩園寺表記で統一します。
7つ星以上の存在
偽りの7つ星でも、色付き星持ちに勝つことができれば星が増えます。何故”学園島”はそんな特例を定めていたのでしょうか。
”学園島”には『星取りゲームで特に優秀な生徒には彩園寺家の跡取りとしての資格を与える』といううわさが流れています。特に優秀な生徒はどんな生徒を指すのでしょうか。
一ノ瀬は7色の色付き星を揃えた者だと推測しています。
転校前日の姫路さん
アニメで追加された貴重なシーンです。
主篠原の隣に居続けるため、姫路は英名学園へ転校します。即興かと思ったら、原稿を暗記していたことが判明しました。このシーンは篠原に見られています。
説明できたナナちゃん先生
姫路のような転校生が現れたら、質問攻めに遭うこと間違いありません。先生の説明より姫路への質問が優先されていました。
- 生徒全員が強制的に参加する
- 申請時間は8時から17時、英明学園の敷地内
- トライアルという特殊機能を用いて《決闘》を行う
- 勝敗による星のやり取りは発生しない
- 決闘に負けた場合、選抜戦から脱落する
- 上位5名は5月開催の学外対抗戦の代表者となる
不遇な扱いだった2-A担任のナナちゃん先生。ようやく説明の機会を貰うことができ、アニメ版の優しさが光りました。
秋月乃愛という少女
- 密告中のタイミングを見計らって突入
- 話の主導権を篠原に渡さない
- 好感度を稼ぐために体を密着させる
秋月はこれら全てを意図して行っています。”小悪魔”という異名を持つ6つ星ランカー3人の一角で、原作2巻のラスボスです。
姫路や秋月が手に入れていたチョココロネ。第2話でクラスメイトが教えてくれようとしていた、購買のおばちゃん謹製の逸品です。一番人気のチョココロネを手に入れるためには、おばちゃんに《決闘》で勝たなければなりません。
《決闘》が盛んだとされる英明学園ですが、購買にまで《決闘》の波は及んでいます。
英明に起こっている干渉
- 外部から首を突っ込んできている輩がいる
- 英明学園が管理する翠色の色付き星がハッキングで奪われた
篠原は放課後に一ノ瀬からの呼び出しを受けました。関連性の高い2つの事件を告げることが用件です。翠色の星は託した相手によって変わる感知系の能力を有しています。卒業生が置いていった翠の星は、本来区内選抜戦の優勝者に配布される予定でした。
一ノ瀬の選択は待機です。色付き星を持っている黒幕は十中八九篠原を狙っています。奪ったのは学内の生徒なのだから、区内選抜戦を活かしてくることでしょう。
原作プロローグにて黒幕の目的は明かされていました。黒幕は『篠原緋呂斗の7つ星』は不正やイカサマに違いないと考えています。
少女に違法アビリティとハッキングの補助を行い、秘密を探る刺客として送り出しました。
少女に違法アビリティとハッキングの補助を行い、秘密を探る刺客として送り出しました。
区内選抜戦の詳しいルール
《学園島》では5月に学外対抗戦が開催されます。20の区それぞれにある学園から5人ずつを選抜し、順位を競い合います
選抜方法は学園によって違った手段が取られていました。英明学園は《決闘》を重視する校風を掲げています。故に選び取る方法も《決闘》でなければならない。
《区内選抜戦》は強制参加のサバイバルゲームとなっています。
- 参加者は英明学園の全生徒3,144名
- 土日を含めた7日間、8時から17時まで休憩はなし
- ”英明学園の敷地内”でのみ《演習》は行える
- 《決闘》と違い、自分の星より低い相手にも申請できる
- サバイバルゲームであり、勝利数に意味はない
- 《演習》の申請中、もしくは《演習》を仕掛けられたとき交戦状態に移る
- 交戦状態中は他のプレイヤーと交戦状態になることはない(先着順)
- 交戦状態のプレイヤーが24時間以上《決闘》を行わなかったとき、両者を失格とする
- 優勝賞品は翠の色付き星、5位までを選抜者とする
薄々勘づいた人がいるかもしれません。6位以降に全くメリットのない行事となっています。そんな大多数のプレイヤーにとってやることは限られます。優勝候補のプレイヤーと戦ってみたい、好戦的な人ほどそう考えるに違いありません。
一方優勝候補は連戦を嫌います。モブに勝ってもメリットはなく、疲労が溜まる一方だからです。
特に逃げなければならないのは、イカサマが必要な主人公陣営でした。《カンパニー》製のジャミング装置を使ってまで、眼があった人から逃げる生活が始まります。
多々良楓花の《演習》
彼女の名前は多々良楓花。2話でも登場した、2-Aのクラス委員長です。休みに入った直後、彼女は篠原へ《演習》の申請をしてきました。秋月乃愛のアシストもあり、2人は交戦状態へ移ります。
英明学園では能力の高さでA、B、C……とクラス分けされています。2-Aのトップを多々良は2年生では屈指の実力者です。多々良は《変則七並べ》というゲームで挑んできました。七並べに花札を融合させたルールとされています。篠原も奥深さとバランスの良さへ絶賛していました。
多々良は原作でも1ページ負けを喫しています。アニメ版に至ってはゲーム内容すら全カットです。2話で即落ち2コマしたこいつの方が優遇されていたのかもしれません。
秋月乃愛のプランA
秋月乃愛のプランAは2段階に分けられます。第1段階は篠原緋呂斗と姫路白雪を交戦状態にさせることです。小悪魔は篠原の緊急回避策を交戦状態による時間稼ぎだと読んでいました。
まず、上図のように篠原の位置情報をばらまくことでモブをおびき出します。次に、200名近くのモブ(このとき近くにいた生存者は252名)をおとりに背後を取って拘束します。最後に姫路の到着を待てば作戦完了です。
秋月乃愛も大量のモブに囲まれています。ここで秋月に申請をした人が見当たりません。それだけ篠原に注目度を盗られたということを証明しているようにみえます。彼女のメンタルは演出外で相当傷ついていたと推測できました。
第2段階は姫路白雪を誘拐し《演習》を辞退させないことです。秋月乃愛は小さい容姿に反して篠原を押し倒せます。買い物に来ていたメイドを不意打ちで捕まえるくらい、簡単な作業でした。
盗聴器を仕込まれた疑いも重なって、姫路は屋敷に戻らないことに決めます。篠原は再び独りになりました。
まとめ:導入回の方が高評価
4話の流れを大まかにまとめると、次のようになっていました。
- ライアー・ライアーの最終目標が定められるが、話数が収まらないのでカット
- アニメ独自のシーンの追加(姫路の練習風景、ナナちゃん先生の説明)
- 次の敵”小悪魔”秋月乃愛の登場
- 優勝賞品、翠の色付き星が奪われていた
- 区内選抜戦の開幕
- 試合を避ける篠原陣営と、挑みたかった多々良楓花
- 秋月乃愛のプランAが始まる
範囲は1巻のエピローグから2巻の『第二章 闘争と闘争』までです。話の根幹を壊すような変化はなく、順当にアニメ化されていました。むしろ追加部分2か所は良い変更点だと思っています。
秋月乃愛はどうやって篠原の嘘を暴こうとしているのか。勝負らしい勝負になることを願っています。
アニメ『ライアー・ライアー5話』の謎解きとキャラクター分析:負けてはならない決闘
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