【1冊10分の新読書】ビジネス書要約サービスFlierを試してみた

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Flierはアプリとブラウザの両方から利用できるビジネス書中心の要約サービスです。『1冊10分で読めるビジネス書の要約で新たな読書体験ができる』と謡っています。探す時間もいらず、1日10分だけでトレンドに乗り遅れない。その文言に確かな魅力がありました。

しかし知らないサービスを使うにあたり、不安な所もあるかと思われます。

本記事では下の6つの問いを中心に紹介および判断をしていきます。

  • そもそもFlierとは?
  • 要約されている書籍のジャンルは?
  • 読みたい本を探しやすいか?
  • 読みやすい分量、難易度なのか?
  • 書籍を読んだときと同じ結論に達するか?
  • 月額2200円は適正なのか?

先に結論を述べておくと、値段相応の価値はあるという肯定的な回答となっています。

Flierとは

株式会社フライヤーが提供する、「自ら学べる」人を育てることを目標に、1冊あたり10分と短時間で読めることにこだわられたサービスです。

法人版もあり、住友化学、AGC(元旭硝子)、NTT、大塚商会、JALなど名だたる企業でも用いられていました。

厳選された著書

年間6,000冊以上のビジネス書が刊行されている現代日本。Flierは編集部によって厳選された著書が、毎日1冊ずつ追加されていく仕組みとなっています。現在取り扱っている作品は2,900作以上で早々に読み切れないほどのラインナップとなっています。

要約作品の例
  • 「すぐやる人」と「やれない人」の習慣
  • 人生を変えるモーニングメソッド
  • 1分で話せ
  • 人は話し方が9割
  • AI分析で分かった トップ5%社員の習慣

1冊あたり10分の要約

厳選されていても結局読む時間が足りない、社会人に向けて一工夫入れられています。1冊を10分に凝縮された文章を読むことができるのです。

切り抜き、要約は著作権のグレーゾーンとされています。特にビジネス書では切り取った結果が偏向報道になってしまい、トラブルになることもあります。Flierはその点にも対応しています。著者や出版社と交渉し、許可されたものだけを提供しています。

短くありのままに見られる点が、本サービス一番の強みだと考えています。

音声による要約も

活字なんてできる限り読みたくない、家事で手が離せない。そういったニーズに答え、音声版も対応していました。

15分と少し長めになりましたが、利便性は上がっています。家事の最中のテレビ代わりや通学・通勤時にお勧めされていました。

サービスを使ってみて

ビジネス書中心の人気書籍

Flierでは「スキルアップ・キャリア」、「自己啓発・マインド」、「生産性・時間管理」など17のカテゴリに分かれています。ほとんどがビジネスにまつわる書籍で、ビジネスマンに特化したコンテンツとなっています。

ではどういう作品が人気なのでしょうか。過去半年の月間BEST3から抜粋したところ、3つの傾向が読み取れました。

最も多かったのは自己啓発、スキルアップです。いずれも自分の成績を上げるために読まれていると考えられます。次に健康・フィットネス。体調を崩さず長く健康で居続けたい気持ちから読まれているのでしょう。最後にリーダーシップや時間管理といった、少人数のチームをまとめ上げて発展させる書籍が読まれていました。

いずれも時間がない働き盛りのサラリーマンという、ターゲットへ寄り添ったジャンルが人気となっていました。

1位2位3位
9月心理的安全性をつくる言葉55リセットの習慣1週間に1つずつ。いつも調子がいい人の 体を動かす習慣 休める習慣
リーダーシップ自己啓発、健康健康
8月やわらかく、考える。父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。医者が教える 感情的にならない気持ちの整理術 特装版
自己啓発政治・経済自己啓発、健康
7月「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみたこうして社員は、やる気を失っていく結局、自律神経がすべて解決してくれる
スキルスキル、リーダーシップ健康
6月仕事の教科書AI分析でわかった トップ5%社員の時間術誰とでも15分以上 会話がとぎれない!話し方66のルール
スキル、時間管理スキル、時間管理スキル
5月毎日を楽しめる人の考え方またすぐに! 会いたくなる人の話し方頭の“よはく”のつくり方
自己啓発スキル自己啓発、時間管理
4月バカの壁武器になる話し方できる人は、「これ」しか言わない
自己啓発、リベラルアーツスキルスキル、リーダーシップ

【注釈】リーダーシップ=リーダーシップ・マネジメント、健康=健康・フィットネス、自己啓発=自己啓発・マインド、スキル=スキルアップ・キャリア、時間管理=生産性・時間管理

要約の探し方について

Flier内での要約の探し方は大きく5つに分けられます。

最もおすすめする方法は要約ランキングからの検索です。日間、週間、月間、年間の4つから上位100作品を調べることができます。多すぎると感じる方は、スペシャルコラムにて月間上位3作品に絞ることも可能です。どの項目にしても、人気作を探したい方、流行に乗りたい方へ薦められます。

次は必ず読みたい名著の項目です。Flierが厳選した30作品から選ぶ形式となっています。ジャンルもバラバラとなっており、読みたい分野が決まっていない方向けだと考えます。

3つ目は「すべての要約」。他の検索と比べて要約された順番に並んでいるところが特色です。最新の要約8作はトップページ上部から見ることができます。それよりももう少しだけ古いくらいの準新作を見たい方用の方法です。

4つ目はおすすめ要約診断で、特集の項目にあります。3~4問の質問に答えることでおすすめの書籍を教えてくれます。サムネイルに惹かれたならばやってみる価値ありです。

最後は直接検索機能。たとえば「読書」で検索すると下のような71件の要約が見つかりました。(一部重複有、2022年10月07日)書籍名だけでなく、要約本文の中に使われていれば表示してくれます。読みたいキーワードを最初から決めている人に便利な機能でした。

  • 裏・読書
  • 知識を操る超読書術
  • 「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書
  • お金に困らない人が学んでいること
  • 不可能を可能にする 大谷翔平120の思考
  • パン屋ではおにぎりを売れ

検索のしやすさは十分整っているといえます。

文句ない分量と難易度

産経Bizによると、Flierの要約は1冊を4,000文字(A4 6ページ)程度にまとめています。挿絵やマーカーが程よく使われており、丁度良く読める分量に収まっていました。

項目について

項目は大きく下の5つに分けられています。

  1. おすすめポイント
  2. 本書の要点
  3. 必読ポイント
  4. 一読のすすめ
  5. 注目の学びメモ

おすすめポイントは、どんな人に向けた本かを紹介しています。要約を更にA41枚に圧縮されていました。書籍裏や帯に書いてあるものに近い印象を受けました。

ほぼ1文にまとめられた要点、段落を分けて見易さを重視している必読ポイントと、本文もきれいな仕上がりです。

最後の学びメモはいわゆるレビュー機能です。アウトプットの大切さを伝える書籍が人気なだけあり、自分が覚えるために記録している内容が多くみられました。

構成の特徴

使ってみて感じた最大の特徴は実際の書籍を薦める姿勢にあると考えました。一般的な要約と比べて動線を意識してサイトを構成しています。

本文では、1つの章や一部の意見を誤解がないように伝えています。もちろんこの時点でも十分役立つ情報量です。

下の一読のすすめが特徴です。「他にはこんな意見が掲載されている」「次のステップについても紹介されている」と具体的な段階を示しています。

サイト上部、pdfで閲覧の下に購入先へのリンクがあることも読み放題サービスにしては珍しい機能です。Amazonだけでなく、e-hon、TSUTAYA、honto、楽天books(一部)など実際の書籍をネット経由で購入することができます。

同じ結論になるのか

手元にあるアウトプット大全やお金の大学を読み直して、要約文と比較してみました。結論から書けば、同じ結論になります。

たとえば手法が50あるとします。要約文はそのうち5つくらいしか取り上げることができません。個々の部分の内容を原文に近づけて空間を補っていくことで違和感を晴らしていました。このプロセスによって極端な言論になったり、矛盾が生じていたり、どうでもいい箇所しか書いていなかったりということを防いでいます。

おおよそ同じ結論に達することから、原文を読む前の予習として優れている要約だと感じました。

月額料金と他サービスとの比較

電子書籍読み放題サービスとの比較

サービス名無料期間月額料金実用書・ビジネス書読み放題冊数補足
Kindle unlimited30日980円(税込)70,000冊以上200万冊以上
ブックパス30日618円(税込)1,800冊以上雑誌が中心
シーモア読み放題7日780円(税込)1,200冊以上漫画が中心
Flier7日2,200円(税込)2,900冊以上要約されている

ビジネス書の読み放題サービスで大きなシェアを占めているのはKindle unlimitedです。圧倒的な読み放題冊数と比較的手ごろな料金設定が特長です。無料期間30日も助かります。

Flierが他サービスと比べ優れているのは、分かりやすく要約されている点です。手に取っても分かりづらい、200ページ以上ある冊数に飽き飽きしてきた。そういった人に対してスキマ時間で読んでもらうことができます。

Kindle unlimited向きの人

  • 手ごろな料金設定に惹かれた
  • 圧倒的な冊数の多さ
  • 1冊を全て味わえる
  • 無料期間の長さ

とにかく本を読んで取捨選択したい方

Flier向きの人

  • 質の高い要約に惹かれた
  • 幅広いラインナップ
  • 1冊あたり10分前後
  • 音声機能付き

スキマ時間を活用して学習したい方

YouTubeとの比較

サービス名料金投稿作品所要時間主要ジャンル
本要約チャンネル無料2,200作品以上約40分健康、食事、教養、習慣
サラタメさん無料137作品15~20分スキルアップ、自己啓発
フェルミ漫画大学無料487作品13~15分健康、自己啓発、恋愛
サムの本解説ch無料309作品13~16分仕事術、スキルアップ、健康、心理学
学識サロン無料268作品6~12分仕事術、生産性
アバタロー無料89作品20~30分哲学思想、経済
Flier2,200円(税込)2,900作品以上10分前後スキルアップ、自己啓発

無料サービスと比較すると、3つの強みが見えてきました。

1つは作品数の多さです。老舗である要約チャンネルを超える作品数で、2022年中に3,000作品越えがみえているくらいラインナップに秀でています。2つは1つの要約にかかる所要時間。作品数を多く取り扱っているサービス程1つあたりの時間を短くしたいでしょう。文章であれば10分、音声では15分という短さは、他の要約チャンネルと比較しても引けを取らないでしょう。3つは要約の信頼性。出版社に直接点検を入れてもらえる点は、法人運営であるFlierならではでしょう。

一方課題となるのは料金設定です。広い分野に対応している人員のためだと推測できます。サービス内容の充実具合を見ても妥当な設定です。ただ要約を無料で見ている勢がすぐに移行してくれるかと考えると、月額料金が壁になると考えられます。

まとめ:試してみる価値あり

  • ビジネス書を中心に2,900作品以上が要約されている
  • ランキングを始め5つ以上の探し方が可能
  • 約4,000文字と読みやすい分量、難易度
  • 直接書籍に触れたときとおおよそ同じ結論に達した
  • Kindle unlimitedと比べ、本をあまり読まない方、スキマ時間を活用したい方におすすめ
  • YouTubeの要約動画と比べ、品ぞろえの良さと信頼性が魅力
  • 料金はサービス相応だと思うが高価

本記事はビジネス書中心の要約サービスであるFlierを取り上げてきました。最初に提示した6つの質問についての回答をまとめています。改めて時間を投資する価値のあるコンテンツだと考えました。目的の書籍を探す時間、理解する時間を間違いなく減らせるでしょう。

とはいえ月額2,200円(税込)は見放題、読み放題サービス全体でも高いのは間違いありません。幸いなことに7日間の無料期間が設定されています。

一度登録してみて、本当に自分にとって必要なのか検討してみてはどうでしょうか。試す価値はあると信じています。

補足1:登録するときの注意事項

Flierに登録する際は、Amazonもしくはクレジットカード情報が必要となります。スキマ時間に登録する場合、パスワードもしくはクレジットカードの用意を忘れないようにしてください。

補足2:解約する方法

もし試してみて合わなかった、やっぱり月額2,200円は高いという方への情報です。ページ最下部という中々気づきにくい位置に、解約/退会のリンクが貼られています。

期間が残っていても見られなくなる点に注意が必要です。

具体的な方法(公式):クレジットカード決済を解約したい(請求を止めたい)

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