【黒猫のウィズ 感想】神都ピカレスク 黒猫の魔術師

本シリーズのケネスらは、大規模なテロを未然に防ぎ英雄となる。ただ、彼らは決して善人ではない。平然と盗みを行い、ときには周囲を利用し被害を顧みない。悪漢小説ピカレスクの名の通り、普段は小悪党なのである。

それでも彼らは信念に則って生きている。だからこそ魅力的に映るのではないだろうか。何がしたいか方向性が定まらない人、そして定まらないことを自責している人には参考になるかもしれない。

※スクリーンショットはいずれも株式会社コロプラに帰属するものであり、当記事はこれを侵害する意図で制作されたものではありません。

前作の感想です。

神都ピカレスクシリーズのテーマとして、仁義と欲望が考えられる。どういう信念があって、悪に堕ちてまで何を為したいのか。ピカレスクの名のように主...

基本情報

あらすじ

神都に噂される<黒猫の魔術師>と遭遇したという少女・リーリャと面会したケネスたち。

<黒猫の魔術師>がリーリャの持つ秘宝を狙っていると知り、真相を追求することにした。果たして、真相はいかに。


「魔法使いと黒猫のウィズ」君の本より引用

主要登場人物

ケネス・ハウアー

表の顔は新聞社カイエ・デ・ドロゥボーの記者。
生きていくために怪盗をしていたため、愛情や同情に否定的な姿勢。
特技はイカサマをすること。

ギャスパー・アルニック

表の顔は新聞社カイエ・デ・ドロゥボーの所長。
幼いころに誘拐されポワカール一族で訓練を積んでいたこともあり、盗賊稼業を誇りとしている。

ヴィッキー・ワン

普段はE王朝の映画会社<華様影業公司>で女優をしている功夫使い。
西洋諸国に奪われた祖国(E王朝)のお宝を取り返すため、義賊を働いている。怪盗としての名は桃花タオファンと読む。

今久留主好介

神都シエンタウンの治安をまとめる部署、工部局所属の探偵。
超が付くほどの変態だが、探偵としては優秀。カイエ・デ・ドロゥボー社が解決した騒動を、表向きに解決したことにしている。

リーリャ・ヤロスキ

ヤロスキ家のご令嬢。L皇国出身。
日光に弱く日中外に出られないため、吸血鬼とも噂されていた。
E王朝に亡命した身であり、リーリャは偽名。

根津ちゆう

帝政T国出身のコソ泥。先祖代々続く盗人「根津家」の末裔。
普段はカイエ・デ・ドロゥボー社で暮らしているが、空き巣専門なため日中でもたまに抜け出す。
能力持ち。ちゆうは本名。

用語集

黒猫の魔法使い

「魔法使いと黒猫のウィズ」の主人公兼語り部。頻繁に異界に飛ばされ、神都にたどり着いた。神都でも人助けをしていたが、都市伝説の冤罪をかけられる。

黒猫のウィズ

元人間の黒猫。人語を話せるが、語尾に”にゃ”がつく。クエス・アリアス(メインストーリーの異界)で屈指の実力を持つ魔法使いであり、黒猫の魔法使いの師匠。味覚は猫基準であり、料理とミルクで簡単に籠絡ろうらくされた。

魔術師の指輪

D・W・ガーフィーが悲願としたが、予算が膨大すぎて制作中止になった映画企画。サイレント時代の俳優グレン・ヤニングスが企画を買い取り、敢えてサイレント映画の作成に乗り出した。
モデルの1920年代後半は、トーキー(発声映画)が商業化しはじめた時期である。ハリウッドが映画文化として栄えた要因にも関わってくる。

サイトキシンX

甘い匂いのするガスで、お香のように吸引する。人に吸わせると大半は死亡するが、適応できた一部は能力を持てるという一品。能力は個々人の願いに従う。

ブラックトカゲ会

サイトキシンXを用いて能力者を量産している謎の組織。一番の目標は「2000年前のE王朝が残した秘宝『古Q神器』」の回収だとされる。子供の誘拐など、手段からして悪の組織。

ストーリーPickup

本作は能力使いが相対的に多く、全項目に紹介・考察が含まれている。そのため、特にネタバレ注意と記しておく。

黒猫の魔術師(占い師)

敵として出てくる方の黒猫の魔術師は、猫耳を付けた女性である。彼女が占い師としてリーリャに接触したことをきっかけに、カイエ・デ・ドロゥボー社に介入された。観察眼に優れておりバーナム効果を利用していたが、魚を服にこすりつけたケネスに敗れる。

本職はスナイパー。「数秒後の未来を見る」という単純明快な能力を持っており、偏差射撃を得意とする。盗賊一味を部屋に押し込めることによって有利な位置についたが、攻撃力は一般的なスナイパーライフルであり……

バーナム効果

誰にでも当てはまるものや、的中したか分かりにくいものを並べることで、的中したと観客に思わせる作用のこと。

バーナム効果って何ですか? 【今さら聞けないマーケティング用語】|マイナビニュース

コソ泥ねずみ

カイエ・デ・ドロゥボー社に空き巣に入ったちゆうのこと。先祖代々の盗賊稼業が落ち目であり、一家一同コソ泥になってしまった。世界盗賊協会から除名の危機だったが、ギャスパーに救われたことで居つくようになった。

ちゆうの能力は「音量の操作」。足音を消すことから、手拍子で爆音を奏でるまで可能である。自嘲するように空き巣にはとことん向いている。一家の復興と盗賊一家としての意地から芽生えた力であり、カイエ・デ・ドロゥボー社の一味としても陽動として活躍している。

四角い世界


敵側の尖兵、アンゲラの能力は「箱を介してワープする」ことである。箱の大きさは関係なく、封筒に入るサイズの箱でも機能する。この能力を利用することで、密室誘拐を可能にしていた。また、箱-箱間の移動速度も速く、捉えることも難しい。

趣味……というより生きるための楽しみが鼠や虫を殺すこと。そのため、ちゆう(ねずみ)を見ると殺意が湧くらしい。

能力の弱点は□の箱にしか移動できないこと。彼女が直方体の部屋の中で長らく過ごしていたことから、世界には四角しかないと思っていた。そのため、四角の外に出たくないという思いから、このような制約になったと考えられる。

悪党は反省しない

今回のボスもまた怪人である。彼は「なぞなぞを問いかけ、答えられない相手の動きを制限する」能力をもっている。その特性から「謎の王リドル」と名付けられ、都市伝説では『なぞなぞを外した数日後に死ぬ』ものとなっていた。なお、被害者の1人であるリーリャは高所から落下して、確かに死にかけた。(彼がサイトキシンXのお香を落としていなければ、即死であった)

彼自身も撤退のとき、サイトキシンXを再び吸ってしまった。精霊魔法という異界の超常現象を知ったこと、死にかけた経験から「なぞなぞの答えをすべて魔法で解決することで、現象を引き起こす」力に目覚めた。火や風を起こしたり、バリアを張ったり……現象は幅広い。この能力を手にしてから、彼は万能感に酔いしれ騒動を引き起こした。

明らかな弱点は、なぞなぞをを問いかけなければならないため、1度に1つの現象しか起こせないこと。

まとめ:黒猫の魔術師


語り部の方の<黒猫の魔術師>は、異界の魔法使いであった。しかし、この異界の金を持っておらず生きるために電話交換手を介してお助け屋をする。異界の力を駆使していたため、「なんでも願いを叶えられる」と勘違いされ都市伝説となった。

この人(性別不明)の能力の真骨頂は「ケネスが封印したカードを媒介として、怪人の能力を使うことができる」という点である。怪盗団にとって手段の大幅な増加につながっており、スナイパーやなぞなぞ使いから隙を勝ち取った。

本作(今回の事件)ではケネスらは、大規模なテロを未然に防ぎ英雄となった。ただ、彼らは決して善人ではない。平然と盗みを行い、ときには周囲を利用し被害を顧みない。悪漢小説ピカレスクの名の通り、普段は小悪党なのである。

それでも彼らは信念に則って生きている。だからこそ魅力的に映るのではないだろうか。何がしたいか方向性が定まらない人、そして定まらないことを自責している人には参考になるかもしれない。

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告
レクタングル(大)広告

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告