【黒猫のウィズ 感想】その誓いは七界に輝く

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「その誓いは七界に輝く」は「魔法使いと黒猫のウィズ」で2021年12月17日(金)~2022年1月14日(火)開催のイベントです。結婚を誓った皇族とその騎士が、反対する関係者に試される物語です。結婚阻止と考えると突っ込み所が多々あり、とある目的と考えると妙に納得してしまう、そんな物語です。正直前作までが好きな人に薦めにくいストーリーでしたが、記録のためにまとめました。

※スクリーンショットはいずれも株式会社コロプラに帰属するものであり、当記事はこれを侵害する意図で制作されたものではありません。

※イラストおよび写真はイメージです。

基本情報

あらすじ

皇界の皇帝シャロンと護衛のテオドール。ふたりは結婚式を行うことを決意する。

皇帝の挙式らしく、皇界の内外から大勢招待客を呼んで、盛大に死期を執り行う予定だった。

招待客は7異界の代表者たち。しかし、彼らはシャロンとテオドールの結婚を認めないという。

理由は、まだ7異界の代表者たちに、ふたりの力を示せていないため――

「ならば、認めさせるしかありませんね!」

シャロンとテオドールは7異界を巡る旅に出る。


「魔法使いと黒猫のウィズ」君の本より引用

世界観

7異界

皇界、魔界、聖界、冥界、天界、死界、時界の7つのこと。元々は1つの異界、神界であったがとある騒動の結果分裂した。初期の頃から7異界以外とも行き来する手段が備わっている。

  • 皇世:7異界の頂点。大天使が統べており、今代はシャロン。
  • 魔界:種々の魔族が暮らす異界。王侯会議と呼ばれる合議制。古来からの召喚術が残されている。
  • 聖界:星々にまつわる神と、神に仕える聖女が過ごす異界。トップはエークノームと呼ばれる聖域。他の世界には伝道師が移動して教えを説いている。
  • 冥界:大罪人を閉じ込める収容所で、死神を介して他の異界にも赴く。イークワルが親から受け継いだ。
  • 天界:天使が治める異界で、魔界と闘争する関係。聖王ミカエラがトップを務めている。
  • 死界:いわゆる死後の世界。”死喰”というシステムが魂を浄化することで輪廻転生を行っている。今回の件の担当者はヴェレフキナ。
  • 時界:時間の管理を任されている……とされているが、セティエしか登場していない影の薄い異界。

関連イベント

http://suzustory.com/2021/12/09/post-1785/

 

主要登場人物

シャロン・イェルグ

皇界の皇帝に幼くしてなった。かつて孤独であったが、テオドールと出会い、虚空が満たされていった。今回、遂に結婚する。

テオドール・ザザ

皇界の皇帝を守る「皇の剣」。シャロンを幼い頃から指導する立場にあり、『笑い、怒り、叱り、誉め、教え、育て』てきた(二重括弧内はシャロンストーリーより引用)

時代が時代であれば光源氏計画と呼ばれかねないが、本人にそのような意図はない。

ルシエラ・フオル

魔王アルドベリクの運命の人。結婚はしていないが、ルシエラの名と事実婚は皇界にまで轟いていた。子育ても終わり、今回は毒舌控えめである。

ストーリーPickup

以下、ネタバレ注意です。

結婚のお知らせ

シャロンとテオドールが結婚する、案内状を他の7異界にかけた所、結婚を許諾したのは0でした。皇族と騎士の身分違いの結婚は認められないのか、仲介として召喚したのは同じ天使のルシエラでした。外に出ない夫婦候補と意図的に道を間違えるルシエラによる巡礼が始まります。

といったのが導入です。現実で例えると結婚に両親が賛成しても、親戚一同が反対している状況でしょう。と、考えていたのですが、どうやら7異界の管理者たちの意見は異なっていたようです。

異界の試練

皇界は7異界を統べる存在でも、他の異界と干渉することはほとんどありません。故に、新たな皇帝シャロンとその夫テオドールの婚約が妥当か、異界の方針に則って試しました。

  1. 死界:迷える霊魂の処遇をどうするか
  2. 魔界:偽物の案内人を見破れるか
  3. 冥界:善悪の判断を持っているか
  4. 聖界:その愛は”愛の矢”に勝るのか
  5. 時界:過去の自分を越えられるか
  6. 天界:※ミカエラは待ち惚けしていました。

2人の処遇も異界ごとに異なり、失礼ではと疑うケースもありました。例として、「偽物の案内人の後に偽物の代表者と面会させる」魔界、「もしも失敗したら不倫の痕を残す」聖界、「過去のテオドールが客人テオドールに切り掛かる」時界など。逆に時界で満足して忘れられた天界は触れられておらず、面会時に少しぐらいは咎めてもいいように感じました。

補足1:冥界の質問
「『命令に従って、多くの人の命を奪った暗殺者』『兵を率いて、戦場で多くの命を奪った軍人』冥界に堕ちるべきなのは、どちらの魂でしょうか?

シャロンは命令を行った側に責任を、テオドールは行為の良し悪しを考えなかった実行者に責任を置いている。自分の立場を重く見た結果であり、管理者イークワルにとって満足の行く結論であった。

補足2:聖界の真実の愛
エークノームの愛の女神、ステラの得意技で、射られた相手が最初に見た人を好きになる呪いをかける。元ネタとなる「エロスの矢」は、黄金で出来た矢を射ることで愛情を増幅する作用があるとされる。

ステラはシャロンとテオドールに一発ずつ当てようとしたが、テオドールがかばったことで2発当たっている。作用が強まるか、打ち消しあうか、答えが示されていないのでテオドールの忠誠心の高さを表す指標となりにくい、困った一幕であった。

試されているのは?

勘の鋭い人であれば、上の6つの試練を見て気になったのではないだろうか。この方々、結婚に反対していないのではないか、と。彼らが見ているものが順に

  • (皇帝としての)役割を忘れていないか
  • 真贋を分かっているのか
  • 意思と秤を持っているのか
  • 一時の揺らぎに流されないか
  • (皇帝としての)在り方を忘れていないか

皇界の皇帝は「どこにも行き場のない存在を正しい場所に導くことが役割」だとされています。しかし、当代の君主シャロンは若く無知だったころに定められ、温室暮らしのため遂行能力が不安視されていました。結婚阻止は建前で、シャロンが皇帝として一人前になったのかを確かめたかったのではないだろうか。

本作において一番結婚することを心配していたのは、2人の案内人であったルシエラでした。「いつまで守る、守られる立場で居続けるつもりか」「旅を機に想いを明かしてみては」長い輪廻の中で、さまざまな立場につき、その分アルドベリクとの関係に失敗している先達としての意見でした。

守り守られる姫と騎士でなく、隣り合う関係でいたい。過去のテオドールとの戦いを機にシャロンは結論を出しました。その思いは聖王ミカエラにも認められ、無事に結婚へと行き着くことができました。

この作品は、以前の身分の差を跳ね返した愛情の物語ではありません。一人前になったがゆえに求められる適性を図り、結婚式の出席に値するだけの価値があることを示す物語です。自らの意思を尊重しつつ、当主の威厳を見せる、共存を成し遂げた彼女たちは誓いの言葉を交わすのでした。

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