任天堂特許騒動まとめ、コロプラは絶対悪なのか?

2018年1月10日。各社記事は一斉に一つの事件を報じる。

あの滅多に動かない任天堂法務部が、コロプラに向け特許侵害の民事裁判を起こしたのだ。

12月22日に提訴した案件のうち、1つはヒットした”ぷにコン”技術と推測されていた。

はじめに

ブログの内容とお門違いではありますが、あまりにも衝撃が大きかったのでメモとして書かせていただきます。

私事になりますが、任天堂製の「ニンテンドーDS Lite」(2006年3月2日発売)は子供時代にお世話になったハードですし、コロプラの「魔法使いと黒猫のウィズ」(2013年3月4日)は最も長い間(3年半)プレイしたソーシャルゲームです。

もし知らないゲームであれば、情報を見ることすらなく一方的に決めつけることができてしまいます。昨年の事件でもドッカンテーブル(注釈1)や駅奪還PLUSの情報漏洩(注釈2)などはどれくらいの人が覚えているでしょうか。

無駄に知っているからこそ、以下任天堂優位だけでない記述を挙げます。

不快に思われる方がいるかもしれませんが、容赦ください。

注釈:ドッカンテーブルとは

どれだけ回しても出ない(確率が0である)外れテーブルのこと。

「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」(BANDAI NAMCO Entertainment)において2017年11月15日、特定箇所に表記ミスがあることが報告された。

よりによってガチャの確率箇所を間違えたため、2ch上で確率操作されている疑惑が生じ炎上した。

他のガチャゲームにまで拡散され、運営会社の株価が一時2割近く下がる惨事となった。

(黒猫のスレでも話題になっていました)

注釈:駅奪取PLUSの騒動

モバイルファクトリーが運営するゲーム「駅奪取PLUS」において、ユーザー情報が外部から閲覧できてしまった騒動。

11月8日から30日の間に「総課金額」や「アイテム購入履歴」がwebで見られてしまったとのこと。

パスワードやクレジットカード情報などの経済的被害につながる情報を保管していなかったため、軽微な騒動で鎮火した。

(敢えて風評被害を立てるなら)株式会社コロプラの提供する位置情報サービスプラットフォームを使用したゲーム……といったことくらい。コロプラは元々位置情報ゲームを運営していたので、関連特許を持っていても不思議ではない。

提訴内容

以下、参考文献2より引用しています。

概要

提起者 任天堂株式会社
受容者 株式会社コロプラ
年月日 平成29年12月22日
裁判所 東京地方裁判所

訴訟内容

  1. 損害賠償請求:44億円+遅延損害金
  2. 差し止め請求:白猫プロジェクト

ニュースの報道情報

まず注意事項として、提訴直後で第一回弁論すら行われていません。それゆえ公式からの情報はほとんどなく、大半がSNSやまとめサイト由来の発言であると考えられます。

このブログの方針を「物語の布教、保管」とするならばデマ情報も積極的に収集するべきでしょう。

ただ今回においては、できる限り公式由来の情報とさせていただきます。

訴訟経緯

コロプラ曰く平成28年9月に、ゲームが任天堂保有の特許権(番号不明)を侵害するという指摘があったそうです。

裁判提起は平成29年12月なので1年以上のブランクが存在します。

この間『1年以上にわたり時間をかけて真摯かつ丁寧に、任天堂の特許権を侵害しない』ことを示していたそうです。

勿論任天堂が受け入れることなく提起されたわけですが……

注意する点として、任天堂による示談条件は不明なことが挙げられます。

「何故すぐに白旗を立てて特許権を喪失しないのか」というコメントを見かけました。これは最初から勝ち目のない場合のみに適用されます。

また、示談条件が不明慮なため「ハルノート」の可能性を捨てきることができません。

以上から訴訟提起の原因を、一概にコロプラの不手際と見做すのは難しいでしょう。

ハルノートとは

1940年11月26日に提示された米国―日本間の交渉文書脅迫文である。正式名称は「合衆国及日本国間協定ノ基礎概略」。

内容は次のとおり(要約)

  1. 英、中、日、蘭、ソ連、タイ、米の不可侵条約
  2. 仏印の領土主権尊重
  3. 支那及び仏印の完全撤退
  4. 中国国民党以外の政府の否定
  5. 両国間資産の凍結解除
  6. 円ドル為替レート安定に関する協定締結
  7. 三国同盟の実質破棄

要するに、(それが正義かはともかく)大日本帝国が築き上げた数年間を消しさる文言であった。

ぷにコン

現状、特許侵害に当たっていると考えられる主流説です。コロプラの2014年以降発売の作品全てにこの要素が含まれている、最も力の入った技術だと言えます。

逆に使っていない作品、「魔法使いと黒猫のウィズ(通称:黒猫)」「ほしの島のにゃんこ(通称:にゃんこ)」「プロ野球PRIDE」「秘宝探偵キャリー」「蒼の三国志」と決算報告会プレゼンテーションにすら記載されない連中だけです。つまりこれが原因で敗訴すれば、まず間違いなくコロプラは民事再生法でしょうね……。

問題がありそうな発言といえば、たぶん次の一文でしょう。

「『白猫プロジェクト』は新たに開発した次世代インターフェイスにより、3Dアクションを指一本(ワンフィンガー)で快適に操作できる本格3DアクションRPGです」(参考文献3)

新たに開発したと書かれているこれが、既存の技術の登用になるのか、それとも既存の技術の発展とみるのか。というかそもそも業界全体として特許料は払っているのか。

2社はまだこれらの情報を語っていません。

コロプラの対応

徹底抗戦

参考文献2の時点では、任天堂の特許権を侵害する要素は一切ないとしています。

抗戦する事実は、ここ1年の対応から容易に推測されます。

裁判より心配なこと

コロプラが恐れていることは何でしょうか。

裁判の進展の他に、重要な要因=風評被害による業績悪化が考えられます。

ソーシャルゲームの常として、消滅したゲームのデータは二度と戻ってきません。勿論クラウド上に保存することは可能ですが。

課金する要因は人様々です。しかしすぐに消えるかもしれない企業へ、収集欲由来の人や新規課金者が課金するでしょうか。

馬場、株を売る

2016年9月21日に馬場功淳(コロプラ社長)の保有株比率が56.13%から46.69%に低下しています。目的はただの減税対策かもしれませんが、時期に多大なる問題があります。

先述のとおり、任天堂がコロプラと最初に交渉したのは2016年の9月です。つまり、顧客に情報を知らせる前に売買することで資金損を防いだ、とも見ることができてしまう訳です。

現に公開後、(株)コロプラの株価は1200付近から1000近くへ急降下しました。

因みにこの株価1000、直近では2017年4月付近の株価に相当します。厳密には2016年11月の決算短信からずっとこの調子なのですが。(コロプラは9月決算)

カプコンとのクロスライセンス

2017年11月28日、コロプラと株式会社カプコンが特許クロスライセンス契約の締結をしました。

特許対象は「オンラインのゲームプレイヤー同士がフィールド上で同時に行動する”マルチプレイ”に関する分野」です。

カプコンはモンスターハンターシリーズなどを排出するコンシュマーゲーム会社であり、マルチプレイに力を入れています。一方、コロプラは白猫プロジェクトやドラゴンプロジェクトなど、何度かマルチプレイをリリース、運用してきました。

なぜこのニュースを態々挙げたかというと、検索中に「カプコンがぷにコン関連の特許に金を貢いでいる」という記述を見かけたからです。

他の特許侵害に該当する可能性もありますが、現状関係ないとみてもいいでしょう。

感謝

1月12日(推測)、白猫プロジェクト内でこんなお知らせが追加されました。

上記の文の要約すると次のようになります。

  • 多くの応援メッセージを頂いたことへの感謝
  • 白猫プロジェクトのサービスが終了させない、という宣言
  • 訴訟がどのようになっても、仕様変更してでもサービスを継続する構え
  • 変わらず課金してほしい

このような声明を出さざるを得ない程に、日間売上が下がったのでしょうか。徹底抗戦の構えは崩さずとも、万が一のリスクマネジメントは考えていることを教えています。悪く言うならば、負けることを前提に考えており白旗を振っている、とも。

なお(少なくとも)黒猫ではお知らせが全くなく、よく言えば対岸の火事、悪く言えば情報秘匿の状態に置かれていました。

おまけとして、編集時点(1月14日午前9時)のGoogleの売上順位は次のようになっています。少なくとも黒猫、白猫では直近3日に課金を煽るイベントは起きていないので、これが通常時の状態ともいえそうです。

  • 016位:魔法使いと黒猫のウィズ
  • 048位:ディズニーツムツムランド(LINEツムツムは4位)
  • 069位:白猫プロジェクト
  • 110位:バトルガールハイスクール
  • 128位:白猫テニス
  • 160位:プロ野球PRIDE
  • 174位:ドラゴンプロジェクト
  • 177位:プロ野球バーサス
  • 262位:蒼の三国志
  • 314位:秘宝探偵キャリー
  • 320位:コロプラ
  • 429位:カジノプロジェクト
  • 436位:ほしの島のにゃんこ
  • 480位:Panipani

所感

何はともあれ情報量が足りないとしか。

現状特許を侵害したとされるコロプラ側にも情状酌量の余地が残されています。

つまり絶対悪とは呼べないと判断します。

個人的に心配なのは、裁判の決着がつく前にコロプラが倒産しそうな点。この場合コロプラの開発、運営陣が路頭に迷い、事前に株を売り捌いた社長など経営陣が助かってしまいます。

風評被害が出る前に話題が収束することを願って、この記事を締めます。

参考文献

1)モバイルファクトリー「「駅奪取 PLUS」のユーザ情報が社外から閲覧できた事象に関するお詫びとご報告」、http://www.mobilefactory.jp/newsrelease/2017/20171218

2)コロプラ「当社に対する訴訟の提起に関するお知らせ」

http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1543523

https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/aw0u27/

3)コロプラ「コロプラ、スマートフォン向けオンラインアプリ『白猫プロジェクト』を配信決定! ~指一本で快適に遊べる、ワンフィンガーRPGが誕生!紹介サイトを本日公開~」、http://colopl.co.jp/news/pressrelease/2014051501.php

4)日本経済新聞「コロプラ馬場社長、支配株主から外れる」https://www.nikkei.com/article/DGXLZO07508400R20C16A9DTA000/

5)株価アルゴリズム「コロプラ(3668)」の株価急落の様子をまとめましたー2016/11/11、http://rizumunet.blog.jp/archives/1062362038.html

6)コロプラ「コロプラ、カプコンと特許クロスライセンス契約を締結 ~IP活用戦略を加速、これまでにない魅力的なコンテンツづくりが可能に~」、http://colopl.co.jp/news/pressrelease/2017112801.php

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