二次創作と法律|二次創作の正当性についての見解

志半ばで散った登場人物を生き返らせたい。

原作ではなかった組み合わせをさせたい。

能力の解釈を変えて最強にしたい。

原作の結論は作者が追加しない限り、たった一つしかありません。また、一旦完結すると決めた作品が追記されることはまずありません。しかし、第三者による二次創作であれば、容易に追加することができます。二次創作とは何なのか、このコラムでは数回に分けて書いていくものになります。

正当性について―1、著作権法

一応言っておきますが、二次創作は合法ではありません。著作権法の引用条件だけを参考にするなら、金銭がかかわらない限りは違法になりません。

営利を目的としない上演等(第38条)

[1]営利を目的とせず、観客から料金をとらない場合は、公表された著作物を上演・演奏・上映・後述することができる。ただし、出演者などに報酬を支払う場合はこの例外規定は適用されない。

では、何が問題になるかという話になります。

これは著作者の権利を阻害している方が問題になります。特に第20条の同一性保持権への違反により二次創作は便宜上禁止されています。

著作権法 第20条

著作者は、その著作物およびその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除およびその他の改変を受けないものとする。

ただし二次創作者にとって幸いなこと次世代へ受け継ぐためという公共的な理由で、著作権法は名誉棄損罪や誘拐罪などと同様に親告罪の一種となっています。これによって、現状市場に出回っている同人誌なども黙認されています。

逆に言ってしまえば、これが非親告罪化すると大半が駆逐されるものと思われます。TPP締結のときに騒がれていたのは、原作を翻訳した二次的著作物です。が、二次創作は二次的著作物と同じ法律に縛られているので他人事ではなくなっていました。

当然のことですが、引用を書かない無断の二次創作に関しては、著作権法第48条に違反する恐れがあります

例外や代名詞による省略が多いので引用しませんが、特定条項に遵守して利用する場合でも無断引用は違法になります。人によっては盗用の一種と扱われ、民事裁判を起こす間もなく負けます。

「俺と彼女が魔王と勇者で(以下省略)」の一件のように、日本最大レーベルの某文庫が出版後に盗作疑惑にかけられた場合もあります。……被盗用側は事件数年前に発行された人気ライトノベル(現在完結済)であり、某文庫側もその作品は間違いなく知っています。
上記の一例のように、盗用かどうかを判断するのは非常に難しいものです。一方で火消しするのも大変厳しく、一度疑惑がつけられれば相当な期間問題になります。

正当性について―2、その他の法律

著作権だけについて気を付ければいい、という訳ではありません。大抵は上記にまとめられているものですが、流石に度が過ぎると著作権法だけでは足りなくなるようです。大体名誉毀損罪のことを指しています。

他に違反可能なものとして脅迫罪もありますが現実的ではありません。刑法222条から、意図的に生命等を脅かす方法について告知しなければ該当しないからです。それこそ推理事件の創作を執筆した後書きに、「○○に再現する」とでも加えない限り当てはまりません。
何故か名誉毀損罪の方が罪が重くなっています。その理由を知っている方がいれば、教えてくれることを願います。

  • 脅迫罪:2年以下の懲役又は30万円以下の罰金(第222条)
  • 名誉毀損罪:3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金(第230条)

その一方で、名誉毀損罪の方のハードルは多少低くなっています。それでも原作者が余程狭量かつ、意図的な侮辱でない限り起きないはずです。そうでなければ、登場人物の心身を粉々に砕く類の同人誌界隈はとっくの昔に廃れています。

例として『その他過剰な性的表現や、特定の個人、団体、人種などを中傷する内容等、こちらで社会通念上著しく不相応だと判断した場合』(博麗幻想書譜より引用)という分がガイドラインに書かれていたとします。
この警告を無視し誹謗中傷が取り上げられました。それにより公式側が被害を被ったとき、名誉毀損罪が著作権違法とともに適用されます。

結論として、脅迫罪や名誉毀損罪で訴えられることは、原作が好きで書いている限りまずありません。

原作側が許可している例

公式が二次創作をガイドラインを示している作品もあります。著作権法に抵触するのが怖い方は、こちらの方の作品をおすすめします。

東方Project(通称:東方)では個人、同人サークルによる二次創作を許容しています。Appstoreの販売など一部規制はありますが、小説や漫画であれば制限はありません。

艦隊これくしょん(通称:艦これ)では公式Twitterが以下の様に回答しています。

いわゆる慣例的な同人活動(同人誌即売会での頒布、同人ショップ委託販売、コスプレ等、HP/イラストSNS等)の範囲であれば、「艦これ」各社/者・運営などに迷惑をかけない範囲で、ゲームシステムのないもの、また、公序良俗反しないものであれば、現時点で問題ないと考えています。ただし、一般商業ルートでの商業二次著作物については、法人として版権窓口である「角川ゲームズ」の許諾をとったもの以外は”NG”です。


運営鎮守府からのお知らせ、2013年7月17日(No.197)より引用

少し視点は異なりますが、出版社により二次創作が許容されている場合もあります。小説限定になりますが、カクヨムではガイドラインが示されていないいくつかの作品が許容されています。著作権保持者のお膝下なので改正がない限り、著作権法で問われることはありません。

具体例(一部)

  • この素晴らしい世界に祝福を
  • ゼロの使い魔
  • バカとテストと召喚獣
  • ダブルクロス The 3rd Edition
  • グリムノーツ

最後に(まとめ)

二次創作に触れるにあたって、どうしても法律上の課題は外せません。なので、最初にこのようなページを設けました。

このページを要約すると次のようになります。

  1. 二次小説は合法ではない
  2. 著作権法は原作者が許容する限り罪に問われない
  3. ガイドラインは必ず守ること
  4. 公式が許容する場合と、サイトが許容する場合がある
  5. 投稿サイトによって、許容する二次創作が異なる

引用文献

「e-Gov法令検索」
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=345AC0000000048&openerCode=1

刑法第〇〇条、
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%88%91%E6%B3%95%E7%AC%AC230%E6%9D%A1
(上記URLは230条のものになっています)

「東方Projectの版権を利用する際のガイドライン 2011年版|博麗幻想書譜」
http://kourindou.exblog.jp/14218252/

「運営鎮守府からのお知らせ:艦隊これくしょんー艦これーのコミュニティーオンラインゲームズーDMM GAME」
http://www.dmm.com/netgame/community/-/topic/detail/=/tid=922/page=32/

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